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モナコでのオークションから短い休憩を経て、私はこの秋、何人かの友人を訪ね、いくつかの時計を見るために戻ってきた。いくつかの素晴らしいアイテムが出品されていることは知っていたが、ロレックス Ref.6062の記録(有名なバオ・ダイを打ち破った)を目撃するとは思っていなかった。時計に425万ユーロ(当時のレートで約7億5000万円)を入札することは世界でもごく少数の人しか行うことのないことだが、オークションに直接参加することは入札の戦術を学び、主要なプレーヤーが誰であるかを知るための素晴らしい方法だ。また、販売されている時計とコレクターの手首にある時計の両方を多く見ることができた。そのプロセスからも数多くのことを学ぶことができる。
あのブレスレットを知っているなら、上の時計のオーナーを知っているだろう。ルビーとダイヤモンドをあしらったロレックス デイデイト Ref.18148を着用したミスターAだ。
恒例となったが、オークションの前にアウロ・モンタナーリ(Auro Montanari)氏、またの名をジョン・ゴールドバーガー(John Goldberger)氏と朝食をとり、毎年恒例のポートレートを撮影した。
彼はパリ時代のカルティエ タンク レクタングルを美しい9連ブレスレットに組み合わせ、身に着けていた。
モンタナーリ氏が販売していたカルティエ タンク アロンジェ “スティーブ・マックイーン”。いくつかのロットの競売状況によっては購入を考えていたが、日曜日までにすでに売却されていた。多くの取引は必ずしもオークション会場で行われるわけではなく、サイドルームや外のテラスでも行われている。
今年は写真を探すことは少し控えめにした。HODINKEEをフォローしているならこれらのオークションを以前に見たことがあるはずなので、我々は土曜日からスタートし、(事前に丸2日間のプレビューの後)半日をプレビュー、半日をオークションに充てた。
オークションカタログをチェックし、メモを取る。
モナコ・レジェンド・グループの副会長であるコッラード・マッタレッリ(Corrado Mattarelli)氏が、信頼できるロレックス Ref.6264 “ジョン・プレイヤー・スペシャル” デイトナを着用していた。これは私の歴代トップ5に入る最もお気に入りの時計のひとつであり、彼に会うたびに彼が着用しているのを見てうれしくなる。
きわめて興味深いイエローゴールド(YG)の針を備えたカルティエ タンク ノルマル。
パリのディーラーであるフィリップ・コロンナ(Philippe Colonna)氏からアウロ・モンタナーリ氏が手に入れた、ファセット加工された風防を持つユニークな1955年製の18KYG製オーバル型ユニバーサル・ジュネーブ。
あなたはロス・ポヴィー(Ross Povey、別名@tudorcollector)氏を知っているかもしれない。彼はポヴィー氏の息子レオで、まだ学生だがオークションで働き、プレビューのためのロットを見つけるのを手伝っている。
彼はPVDコーティングでをカスタマイズしたヴィンテージのチューダー クロノグラフを着用していた。
ポール・ニューマン デイトナ(または2本)がなければモナコではない。
ブルネイのスルタンのための特注で作られた、ダイヤモンドセットのブレスレットを備えたホワイトゴールド(WG)のIWC デストリエロ・スカフージア。
オークションに出品された2本のパテック Ref.1518のひとつをチェックしている。これは珍しい過渡期のダイヤルシグネチャーを備えていた。
小さな時計でも、見るべきロットがたくさんある。
過去数年間で友人となったコレクターのひとりは、パテックのコンプリケーションをダブルリストで着用するのが好きだ。彼が以前、Ref.2499やティファニーの刻印付きのRef.5970Jのようなワイルドな時計でそうしていたのを見たことがある。ここではパテック Ref.2523/1を右手首に、そしてブレゲ数字と夜光針/ドット付きの、最も可能性の高いユニークなRef.3448(彼が5月の別のMLGオークションで購入した)を左手首に着けている。
彼が218万スイスフラン(当時のレートで約3億8000万円)で購入した、おそらくユニークピースのWG製パテック Ref.3448をクローズアップ。
そしてワールドタイマーの最もクールなケース形状のひとつ、アントワーヌ・ゲルラッハ(Antoine Gerlach)が製作したケースを持つパテック Ref.2523。
ディーラーのアンドレア・フォフィ(Andrea Foffi)氏が着用していたロレックス デイトナ Ref.116588SARO。
オーデマ ピゲ “ジャンボ” エクストラ シン オープンワーク Ref.15204RO。
ここでまったく趣の異なるもの、テューダー ブラックベイ クロノ “フラミンゴ ブルー”。
G-Shockを含む、すべてのメーカーとモデルの時計が歓迎される。
恒例となっているように、MLGはオークション会場の外の2階にクルマを駐車しており、今回は珍しいホワイトのフェラーリ ディーノだった。
珍しいパテック Ref.2554。正面からのアングルは素晴らしいが…
…それは物語の半分にすぎない。
これは以前には見たことがない、ニーマン・マーカスのカフウォッチだ。
そしてヴァン クリーフ&アーペル カデナを少し彷彿とさせる、ヴェルジェ(Verger)が製作したもうひとつのブレスレットウォッチ。
さらに珍しい、ヴィンテージカーの正面に見えるように意図された奇妙なミドー。まあ、この時計が作られたとき、その車はそれほどヴィンテージではなかったが。グレーダイヤル、ローズ数字、そしてYG製の針とケースの異色のコンビネーションがこれをきわめて興味深いものにしている。
私の友人スルジャン・ステヴィッチ(Srðan Stević)氏が着用していた、ラピスダイヤルときわめて興味深いハッチング仕上げのケースを備えたユニークなWG製のピアジェ ベータ21。それはメテオライトとヘリンボーンのミックスのように見える。
ゴールドのオメガ ダイナミック。
パテック Ref.1450 “トップハット”。
ダイヤモンドとオニキスダイヤルを備えたYG製のカルティエ サントス オクタゴン。
マホガニーダイヤルを備えたロレックス Ref.4652 チェリーニ。
ここで本稿のヒーローイメージを再訪しよう。1日に2本のWG製のパテック Ref.3448を見るのは珍しいが、ブレスレット付きで2本というのはまったく別の話だ。クラウディオ・サルヴァティ(Claudio Salvati)氏はしばしばパテック Ref.3448を着用しており、今回は純正ブレスレットを着けていた。デイウィンドウが完全に切り替わっていなくても、それがどうしたというのだ? 実に素晴らしい。
ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーのすべての始まりであるRef.25554ST。
ギュブラン トリプル カレンダー。これは写真撮影直後にこの手首から売却された。「ギュブラン?」「そうだ」「わかった、私のインボイスに入れてくれ」というやり取りだった。
ピンクゴールドのヴァシュロン・コンスタンタン Ref.4240L(Lはフランス語で月を意味するLune)。
このケース形状と、サテンとポリッシュをミックスした仕上げを見て欲しい。
YG製のロレックス Ref.6542 GMTマスター。
ほとんどのコレクターに無視されていた、素晴らしいロレックス プリンス インペリアル懐中時計。
時計で最も難しいショットのひとつ、4本腕のグループショット。
個々に見ていこう。ミドー、モバード、そして…
ロレックス バブルバック。
チェリーニとデイデイトもある。
このロンジン ミステリー ダイヤルにはオリジナルではないものの、クールなブレスレットが付いており…
…きわめて興味深い拡張方法だった。
ジェラルド・ジェンタ。
日本からのこのデュオを見るとは予想していなかった。Vintage Timesのコレクター/ディーラーであるトビアス(Tobias)氏が所有するNaoya Hida & Co.が。
そして大塚ローテック。
ここに奇妙なものがある。ロレックス オイスタークォーツ デイデイト パーペチュアルカレンダー プロトタイプだ。そう、彼らはそのようなものを作ったのだ、ある種のものを。それはファクトリーを決して離れるべきではなかったプロトタイプだが、いくつかの法的な抜け穴のために市場に出回ってしまった。
星空のアベンチュリンダイヤルを備えたオーデマ ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ パーペチュアルカレンダー。
別の種類のスターダイヤル、ロレックス Ref.6098 “ギャラクシー”。
珍しいダイヤル構成を備えた、おそらくユニークモデルであるロレックス Ref.6090 “ボンベイ”。“ボンベイ”はそのねじれたボンベ(bombé) ラグからニックネームが付けられた。
大理石ダイヤルのロレックス デイデイトには、イタリア的に感じる何かがある。
とてもトロピカルなロレックス デイトナ Ref.6239。
そして、初期のYG製のデイトナ Ref.6241。
アラブ首長国連邦向けのロレックス “ホーク(鷹)” デイトナはどうだろうか?
そして、もう1本のポール・ニューマン デイトナ。
ロレックス デイトナ “Eye of the Tiger” Ref.116598TBR。
ロレックス GMTマスター II Ref.116578SARU(ルビーとサファイアを備えている)。
ラピスダイヤルのロレックス デイデイト。
ロレックス デイデイトの、きわめて際立ったティールブルーダイヤル。
トロピカルなダイヤルを備えたパテック Ref.1527を着用したロビン・マン(Robin Mann)氏。
ロベルト・カーソ(Roberto Caso)氏が所有する、信じられないほどユニークなパテック フィリップ Ref.3990。
ノーチラスが偉大であるためにすべてが大きい必要はない。これはまさに完璧に見える。
ブレゲ数字を備えた素晴らしいパテック Ref.570。
私にとって別のハイライトはセルピコ・イ・ライノ(Serpico Y Laino)のサインが入った、本当に素晴らしいパテック Ref.1463だ。
クッコ(Cucco)のサインが入った、セクターダイヤルを持つパテック。トップに小さなリューズを備えている。
きわめて多くの素晴らしいディテールを持つゴージャスなスティール製パテック Ref.565。マルチトーンダイヤルにはローマ数字と素敵な長いシグネチャーが備わっている。
パテック フィリップ Ref.5004Pの、希少でほぼデッドストックのバリエーション。プラチナ製5004はアラビア数字を備えたブラックダイヤルで見られることがより多い。
クロード・コーエン(Claude Cohen)氏が50万ユーロ(日本円で約8850万円)以上のデイデイトにハンマーを打つ瞬間がこれだ。“売却します”。
“最終 警告…”。
“落札!”。
ジェラルド・ジェンタのアクションがさらに、今回はブリング付きだ。
リシャール・ミル 67-02。
赤と黄色のクォーツ TPT®製リシャール・ミル RM 27-03 トゥールビヨン ラファエル・ナダル。
オークションハウスとの関係が良好な場合、特別な機会にはオークションが終了する前にロットをピックアップすることができる。このコレクターは通常購入する…まあ…あなたが推測できるように。だが、今回はオークションでこのパテック フィリップ Ref.5207Pをピックアップした。
時計は忘れて欲しい。犬こそが最高だ。しかしミスターAは、カラーコーディネートされた時計で特別なアイデアを持っていた。
犬に時計を着けさせるのは簡単ではない。
だが、それは可能だ。
2本のスモールセコンドを備えるヴィンテージ タンクは信じられないほど希少だ。
最後に、ロベルト・カーソ氏が再び、ティファニーの刻印入りのパテック Ref.130を着用していた。
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