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クイック解説
60周年を記念して、グランドセイコーは全ての停留所をすっ飛ばしてしまいました。新型のハイビートムーブメントがあり、新しいスプリングドライブキャリバーがあり、1960年からの初代グランドセイコーに敬意を表するモデルも登場したからです。この時計は、おなじみの仕様で既存キャリバーを使用しているにもかかわらず、間違いなくコレクション性の高い1本です。
39mmPTケース、シンプルな3針時計というのは、グランドセイコーの現代の名工が素晴らしい才能を表現するためのキャンバスといえます。18KWG製で三層の別体構造文字盤は、彫金師として現代の名工に選ばれた照井 清氏と彼のチームによって全て手作業で彫金されます。インデックスから針、グランドセイコーのロゴ、星のモチーフまで、その全てがゴールドを彫り込んだものです。文字盤コンポーネントがカーブしているのは、彫金師にとってチャレンジングであり、生産される20本はそれぞれわずかに個体差があります。かなりクールですよね?
グランドセイコーの伝統的なスタイリングをもつこの時計は、単なる技術とクラフツマンシップを発揮したものではありません。さらにポエティックな側面もあるのです。
雫石と呼ばれる小さな町は、岩手山の麓近くにあり、グランドセイコーの機械式時計製造の拠点でもあります。本機のモチーフである「滴石」は、約1000年前に名付けられた現在の「雫石町」の語源となった言葉だと言われています。当時、「雫石」の森にある洞窟では、天井から岩の上に滴り落ちる「雫」が、下にある「石」に当たり、「雫」の音が洞窟の中に共鳴して森の静寂の中に響き渡っていました。その後、この不思議な音を聞きにきた人々が「雫石」と親しみをこめて呼び始めたと言い伝えられています。それに従って、SBGW263の手彫り彫金は、水滴をモチーフにしており、インデックスは岩に跳ねる水を連想させます。少し抽象的で美しい見た目ですが、物語があることでよりインパクトのあるものにしています。
ファースト・インプレッション
グランドセイコーが肩ならしをしようとするとき、彼らはその方法をしっかりと心得ています。この時計は、芸術の領域でも通用し、費用を惜しまず、細部まで注目に値する部類の時計です。それでは、皆が好むような時計でしょうか? いいえ、そうではないでしょう。しかし、芸術とはそういうものなのです。
グランドセイコーがこれらの作品を20本だけ製造し、それぞれが微妙に違うというだけで、僕を魅了するには十分です。個人的には、内部のムーブメントを見せびらかすのではなく、クローズドケースバックとクラシックなゴールドメダリオンを採用して、ブランドのピュアな形が維持されたことが気に入っています。時計は簡単に派手にできるものですが、僕はより控えめな華やかなに心打たれました。
これまでも何度か、画像からは時計の真の姿を想像することができないと言ったことがありますが、この時計にも当てはまります。真の美しさと価値は、ダイヤル上の様々なホワイトゴールドのトーン(いくつもの仕上げによって生じる)がケースのプラチナと合わさった姿や、光が彫金に当たる風合いを確認するには、少し待たなければなりません。この貴重なGSについて、もっと多くの情報を提供できればと考えています。しばしお待ちを!
基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: 60周年記念限定モデル(60th Anniversary Limited Edition)
型番: SBGW263
直径: 39mm
厚さ: 11.8mm
ケース素材: プラチナ
文字盤色: 彫金が施された 18K ホワイトゴールド
インデックス: 彫金
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ワンプッシュ三つ折れ方式のバックル付き、黒のクロコダイルストラップ
追加情報: 4800 A/mの対磁性能
ムーブメント情報
キャリバー: 9S64
機構: 時、分、秒針
直径: 28.4mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 4 Hz (2万8800振動/時)
石数: 24
追加情報: 平均日差+5秒~−3秒(静的精度)
価格&発売日
価格: 1000万円(税抜)
販売: グランドセイコーブティックで2020年7月から
限定: 世界20本限定
詳細はこちらをご確認ください。