ADVERTISEMENT
オリジナル マイアミビーチ アンティークショー(OMBAS)は、私が1年で最も楽しみにしている旅のひとつだ。ヴィンテージウォッチが大好きな人にとって、これは絶対に見逃せないイベントだ。世界で最も重要なヴィンテージショーと言っても過言ではなく、世界中から時計ディーラーやコレクターたちが集結する。OMBASは、二度と出会えないような逸品や、存在すら知らなかったようなものに遭遇することがある。タスティ・トンディやポール・ニューマン、そしてパテック フィリップ Ref.2499が一堂に会する光景を見たいなら、ここへ来るしかない。その名のとおり、このショーは実に多彩で、想像しうるあらゆるアンティーク、そして想像もつかないようなものまでが、巨大なマイアミビーチ コンベンションセンターで販売されているのだ。
マイアミ ビーチ コンベンションセンター。
例年このショーは1月のホリデーシーズン明けに開催されるが、2026年は3月開催へと変更された。この判断のおかげで、空いた時間に街を散策できる来場者には、快適な気候が約束されたというわけだ。
6日間にわたって開催されたショーに参加し、過去の来場時と比べていくつか印象的な変化を感じた。まず、価格についてだ。以前は、ショーでお買い得品を見つける余地がもっとあったように思う。品物の正確な価値を熟知するウォッチディーラーからではなく、あらゆるアンティークを扱うブースで、たまたま数本の時計が紛れ込んでいるような場合だ。そういった場所は、ヴィンテージの掘り出し物を見つける宝の山だった。しかし今日では、誰もが自分の持っているものの価値を把握しているようだ。その背景には、金の価格というひとつの要因があるように思われる。
小ぶりな時計への関心は衰える気配がない。
次に、間違いなく強い関心を集めていたのがピアジェだった。ここ最近のカルティエ人気に続く、“第2章”的な盛り上がりと言えるかもしれない。同じ流れで、ヴィンテージのモバードも目利きたちのあいだで盛んに話題に上っていたが、プレミア価格がつけられていない状態の良い個体を見つけるのは難しかった。さらに、ネオヴィンテージウォッチも会場のあちこちで目につき、ブースにも来場者の腕元にも数多く見られた。そのなかでも、ひときわ存在感を放っていたのはオーデマ ピゲだった。
とはいえ、こうした個別のトレンド以上に印象的だったのは、会場全体に漂う趣味の多様性だった。人々はトレンドに左右されるというより、自分自身の嗜好にきわめて忠実な時計を真剣に探していた。先述したような人気モデルを追う人もいれば、近年では驚くほど見過ごされがちな分野(例えばヴィンテージのロレックス サブマリーナー)に強く引かれている人もいた。
この光景は、800を超える出展者が集うショーのほんの一部に過ぎない。
これは市場全体を反映したというよりは、時計を求めてアンティークショーに参加する人々の傾向を物語っているのかもしれない。しかし、OMBASがヴィンテージ全般の熱気を測る絶好の機会であることは間違いない。
ショーで撮影した80枚以上の写真をご覧いただく前に、ショーのあとに公開されたマシュー・ベイン(Matthew Bain)氏の記事にも触れておきたい。そこでベイン氏は、初参加から30年後となる今年のショーに参加した感想を語っている。洞察や経験はもちろん、豊富な知識に満ちた内容だ。
ショーの来場者は、間違いなく買い物を楽しむムードだった。
ヴィンテージのモバードには多くの注目が集まっていた。
ウォッチ・ブラザーズ・ロンドン(Watch Brothers London)のスタンドには、オーデマ ピゲの最も希少なネオヴィンテージQPのリファレンスが並んだトレイがあった。
NYC Vintage Vaultでは、ジョーダン氏がショーのなかで最も統一感のあるスタンドのひとつをキュレーションしていた。
これぞ究極のマイアミ デイトナコレクションかもしれない(紫のデイトナのダイヤルを拡大して、あのリテーラーのサインを見つけてみて欲しい)。
サシャ・ダビドフ(Sacha Davidoff)氏が美しく着こなしていた、見事なピアジェのネックレス。
ダビドフ氏が出品していた、マザー・オブ・パールのダイヤルが美しい、オーデマ ピゲのパーペチュアルカレンダーを搭載したネオヴィンテージモデル2本。
Caso Watchesが出品した、ハウスマン(Hausmann)銘のツートン仕様のパテック フィリップ Ref.130。
2007年製のCPCPコレクションのクロッシュ ドゥ カルティエ。わずか100本限定のモデルだ。
Menta Watchesから出品された、1937年ごろの美しいサーモンダイヤルを備えたロレックス Ref.2508。
この2本はマイク氏が所有していたなかでも特に印象的なもので、ジャガー・ルクルトとカルティエのトリプルカレンダーだった。
そして彼の手首には、ブレゲ数字を配したステンレススティール製のパテック フィリップ Ref.96が。
初日、バーリントン・アーケードに拠点を置く最高峰のヴィンテージウォッチディーラーのひとつ、Somlo Londonのダニエル・ソムロ(Daniel Somlo)氏が私を呼び止め、彼が最近仕入れたばかりの逸品を見せてくれた。
OMBASの魅力は、どんな作品に出会えるか全く予想がつかないところにある。ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズを受賞したばかりのこのハゼマン&モナンは、まさに予想外だった。
Morillo55のガイ氏に会えるのはいつも楽しみだ。
そして彼のセレクションは、新旧のピアジェが揃い、まさに彼のブランドらしさが完璧に表現されていた。
しかしこのショーで私が最も気に入った時計は、このロングシグネチャーを備えたパテック フィリップ カラトラバだ。立体的なインデックス、太い針、そしてケース2時位置のボタンリリースが特徴だが、実はこれはブライユウォッチ(点字時計)なのである。ボタンを押すとクリスタルが持ち上がり、ダイヤルに触れて時間を読み取ることができるのだ。ブライユウォッチは現在でも見かけるが、パテック フィリップ製は初めて目にした。
フランク ミュラーのピースユニーク。“Franck”とのみ署名されたきわめて初期のミニッツリピーター搭載のパーペチュアルカレンダーで、ハグマン社製ケースを備える。紹介してくれたのは、かの有名なアルフレッド・パラミコ(Alfredo Paramico)氏だ。
そのフランク ミュラーの隣に置かれていたのが、これだ。ユニークなプロトタイプのオメガ スピードマスター パーペチュアルカレンダーで、アントン・バリー(Anton Bally)氏(ETA社の元ディレクター)が所有していたものだ。
もしあなたがInstagramでアルフレッド・パラミコ氏をフォローしているなら(そうすべきだ)、彼が最近A.ランゲ&ゾーネに夢中であることをご存じだろう。彼はショーに、最高のコレクションを持参していた。
ランゲのためのウェレンドルフ製ブレスレットは、コレクターのあいだで注目を集めている。そしてもちろん、ウォッチコレクター界の第一人者であるパラミコ氏はそれを多数所有している。
こちらもパラミコ氏のコレクションから、もうひとつのランゲ。
クロワゾネダイヤルを備えたユリス・ナルダンのサン マルコは、ここ数年で着実に人気を高めており、この2本は私が見たなかで最も希少な例だ。
しかしこのサン・ピエトロ大聖堂エディションは、ほかを圧倒するかもしれない。“0/10”の刻印入りだ。
わずか7本しか製造されなかったプラチナ製のギュブラン ドルイド(Druid)のひとつ。
2000年に製造されたこのF.P.ジュルヌ 041/00Rは、手作業で作られたダイヤルが特徴で、きらめきがあり、ほとんど鏡のような効果を生み出している。
会場内に戻ると、モナコ・レジェンド・グループはどんなショーでも常に注目の的だ。今年は、今後のオークションとプライベートオークションに出品される個体を合わせて200本もの時計を持ち込んでいた。このヴァシュロン・コンスタンタンのレベルソは特にスペシャルだ。
このプラチナ製のカルティエ タンク ア ギシェも同様だ。これは1996年のカルティエのオークションのために3本のみ製造されたうちの1本である。
“こんなものは見たことがない”というテーマは続く。パルミジャーニ・フルリエのテクニカ。パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーター、トゥールビヨン搭載のピースユニークだ。
ドレダイヤルのパテック フィリップ Ref.3448。お尋ねになる前に言っておくと、この時計の周りにあるネックレスもパテック フィリップ製だ。
アフリカ大陸の地図に焦点を当てた、見事なクロワゾネダイヤルを備えたロレックス Ref.6101。私にとっては、ダイヤル左側の鳥たちがたまらない。
見れば見るほど、このオーデマ ピゲのクレイジーさが増していく。
とりわけキュートなカルティエ。
モナコ・レジェンド・グループに話を戻すと、このきわめて魅力的なドクサは、偶然にも同じムーブメントを搭載している。
金曜日の夜には、恒例となっているDavidoff×MentaのGTG(Get-Together)が開催された。Craft + Tailoredのキャメロン・バー(Cameron Barr)氏は、ティファニーのスタンプが入ったデイトナ Ref.16528を着けて現れた。
オーデマ ピゲのパープル スターホイール。
パテック フィリップ アクアノート Ref.5066A。
またしてもネオヴィンテージのオーデマ ピゲ。今度はプラチナ製ケースにダイヤモンドをセットし、クルマを手彫りであしらったダイヤルを備えた驚異的な1本。
キャラメルカラーのダイヤルを備えたロレックス サブマリーナー。
キャメロン・シュタイナー氏(Cameron Steiner/@cameronrosssteiner)は、ローズゴールド製のF.P.ジュルヌ クロノメーター・スヴランを着用。
ウォッチ・ブラザーズ・ロンドンのブースでは、ブレゲの三大要素を兼ね備えたモデルが話題を呼んでいた。いずれもティファニーサイン入りだ。
このワイルドなフルセットのヴァシュロン・コンスタンタン Ref.43032も同様に注目を集めた。
あるフルセットから別のフルセットへ。このヴァシュロン・コンスタンタンのメルカトールには、ルーペまで付属していた。
別の日には、またしても(そして不当にも)見過ごされているネオヴィンテージのブランパンが。
CasoWatchesのブースに戻ると、この素晴らしいパテック フィリップのスプリットセコンド懐中時計が、会場の熱気をさらに高めていた。
2026年の今、保護シールが付いたままのロレックス キングマイダスをどれくらいの頻度で見かけるだろうか? 手首に着けたときの感覚は、ほかに類を見ない。
ロレックスのツートン仕様のトリプルカレンダー搭載モデル。
ロレックスのパデローン Ref.8171。筋金入りのヴィンテージだ。
力強いオーデマ ピゲのダブルショット。
このプラチナ製のパテック フィリップ Ref.96は多くの注目を集めた。
こちらの紫色のパティーナを纏ったロレックス サブマリーナーも同様に。
もう少し個性的なものはいかがだろうか?
これまでにもパーペチュアルカレンダーを搭載したネオヴィンテージのオーデマ ピゲをいくつか見てきたが、これが最高賞を獲得するかもしれない。
そう、これはパネライのコンパスだ。
“フレンズ&ファミリー”向けのベルネロンまでマイアミビーチにやって来た。
さらに、たくさんのリテーラーのシグネチャーモデルも。
実に美しいツートン仕様のパテック フィリップ カラトラバ。
そして間違いなくこのショーのハイライトのひとつは、Mr Watchleyのマキシム(Maxime)氏が持参したオクタゴンシェイプのロンドン製のカルティエ と、デュアルタイムモデルだろう。
ブレゲ Ref.3350のトゥールビヨンは、今日のネオヴィンテージ界で最も賢い買い物のひとつだ。
パテック フィリップ アドバンストリサーチ Ref.5550P。
このディスコ・ヴォランテスタイルのジャガー・ルクルトは、数字のデザインがとてもファンキーだ。
さて、これにて失礼。空港へ向かう車が待っている。
話題の記事
Hands-On A.ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン ハニーゴールドを実機レビュー
Hands-On スウォッチ×オーデマ ピゲ ロイヤル ポップを実機レビュー(編集部撮り下ろし)
Photo Report マイアミビーチ アンティークショー 2026