Introducing ルイ・エラールとコンスタンチン・チャイキンが描く異色のレギュレーターモデル第3弾

　第1弾のモデルは2023年に発売され、グリーンやパープルを使った少し明るめのデザインだった。第2弾では、よりダークな色合いと真っ赤に染められた分針、充血した目などで怪物の狂気性を強調したスタイルになった。そして今回の第3弾は、第2弾のダークさとは対照的に、どちらかというと第1弾に少し寄せたような雰囲気もある。

　このシリーズの大きな特徴はルイ・エラールが得意とするレギュレーター表示と、チャイキンの独創的な顔の表現を組み合わせた点にある。12時位置には、白いディスクに黒い瞳孔が描かれた目のような時表示。6時位置には、ギザギザの歯を思わせるスモールセコンドディスク。中央には長い分針が1本だけ伸びていて、その両端には2種類のハンドジェスチャーがあしらわれている。

　中にはセリタSW266-1をベースにした自動巻きムーブメントを搭載。2万8800振動/時で約38時間のパワーリザーブと、スペックもこれまでと共通している。裏はシースルーバック仕様で、ローターにはルイ・エラールのロゴがブラックラッカーで施されている。ケースは42mm径で、素材はポリッシュ仕上げのステンレススティール。裏蓋には世界限定178本であることを示す1 of 178の刻印が入っており、価格は108万9000円（税込）となっている。

　前の2作がどちらも即完売していたことを考えると、このモデルも早いうちに売り切れる可能性が高い。だが、それは限定だからというより、このシリーズ特有の強い個性が理由だ。

　静止画で見るだけではわからないが、動画でディスクの動きを見ていると、生き物っぽさが伝わってくる。12時位置の瞳孔が時刻にあわせて回転し、6時位置の秒表示ディスクが絶えず回り続けることで、怪物が呼吸をしているように感じるのだ。秒が読めるわけではないし実用的とは言えない。でもその遊びのある動きがあるからこそ、この時計は時間を測る道具というよりも、時間の流れを感じる存在として手首にのっている気がする。

　42mm径とサイズとしては大きめだけれど、これくらい存在感がある時計だと、このサイズがちょうどいいように思える。ちなみに過去モデルには39mmのバリエーションもあったので、小振りなサイズが好みの人は復活に期待しておこう。

　全体として、タイム・イーター IIIはこれまでの2モデルと構造自体は大きく変わっていない。それでも、時間を示す機構が怪物の目や口として動き続けることで、まるで生きているかのような存在感がある。そうした演出が、このシリーズならではの魅力になっている。第4弾があるなら、リホという同じテーマでどんなアレンジが加わるのか、注目したい。

ブランド: ルイ・エラール×コンスタンチン・チャイキン（Louis Erard × Konstantin Chaykin）
モデル名: レギュレーター ルイ・エラール×コンスタンチン・チャイキン タイム・イーター III（Regulator Louis Erard × Konstantin Chaykin Time Eater III）
型番: LE85237AA90BGA087

直径: 42mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: サンバーストの波模様を施したグレーの下地プレート
インデックス: ブラック転写
防水性能: 5気圧防水
ストラップ/ブレスレット: ブラックトードレザー（裏地にブルーラビットレザー）、ピンバックル。クイックストラップチェンジシステム

キャリバー: SW266-1
機能: 時・分表示、スモールセコンド
パワーリザーブ: 約38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31

価格: 108万9000円（税込）
発売時期: 発売中
限定: あり、世界限定178本

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