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Hands-On ウルベルク UR-10 スペースメーター 従来型の表示と型破りな情報を融合させた時計

最も普通に見えるウルベルクであっても、それは驚くほど型破りだ。

Photos by Mark Kauzlarich

ウルベルクが製作する時計を思い浮かべてみて欲しい。あらゆる種類の時刻表示機構や、ファンキーなケース形状のおかげで、即座にコンベンショナル(伝統的)と呼べるものを見つけるのは至難の業だろう。ラインナップのなかで最も“丸い”時計であるUR-102 リローデッドでさえ、針のない半円形のタイムトラックを採用し、通常の時刻表示を手放している。

 昨年10月、ウルベルクは“普通”の針を持つ新作を発表した。これはウルベルクの創設者であるマーティン・フレイ(Martin Frei)氏と、フェリックス・バウムガルトナー(Felix Baumgartner)氏がついにさじを投げて、時計がどうあるべきかという彼らのビジョンを共有しない広範なオーディエンスに迎合し始めた兆しなのだろうか? 幸いなことにまったくそうではない。もちろん、私が話しているのはUR-10 スペースメーターのことだ。

Urwerk Spacemeter UR-10 Soldier on Black BG
Urwerk Spacemeter UR-10 Side Shot
Urwerk Spacemeter UR-10 Buckle and Bracelet

 通常、私が初めて新しいウルベルクを手にしたとき、視線はケース内の空洞を埋める風変わりなサテライト表示に真っ先に向かう。しかし今回は自分の目で見ているものが正しいかどうか、二度見しなければならなかった。ケースに収められていたのは3つのインダイヤルとかなりの数の針を備えた、一見すると普通のダイヤルだったのだ。皮肉なことに、その一見コンベンショナルに見えるダイヤルこそが際立っている。“UR-スペシャルプロジェクト(UR-Special Projects)”コレクションに分類されるこのUR-10 スペースメーターは、幸運なことにこれまでのどのウルベルクにも劣らず奇妙であることを証明している。

 何にせよ、スペースメーター(編注;宇宙計という意)と名付けられたこのモデルのダイヤルには、ブラックまたはライトグレーの2色が用意されている。どちらもサーキュラーサテン仕上げが施され、アクセントの配色も同一だ。UR-10のメインのシリンジ針は通常どおり時刻を示すが、3つのインダイヤルは実際には地球の公転と自転による移動距離を測定するために使用される。2時位置の“EARTH”とブルーで記されたインダイヤルは地球が自転によって移動する距離を10km単位でカウントするもので、目盛りは500m刻みとなっている。続く4時位置の“SUN”と記されたインダイヤルは20km刻みのインデックスを備え、カウンターが1周すると地球が太陽の周りを公転、つまり1000km移動したことを表す。最後に、9時位置の“ORBIT”と記されたインダイヤルはこれら両方の測定値を相対的に示しており、外側のリングは公転の測定値を、内側のブルーのリングは太陽の周りのその地点における地球の自転を反映するように色分けされている。

Urwerk Spacemeter UR-10 Dial Closeup of Three Registers
Urwerk Spacemeter UR-10 Double Register Closeup
Urwerk Spacemeter UR-10 Soldier

 少し混乱してきただろうか? ああ、私も同じように感じたことを認めよう。特に、これらは私の人生で一度も考えたことのない測定値であり、表示方法だからだ。しかし手に取って手首に乗せてしばらく過ごしてみると、読み取りははるかに直感的になる。ウルベルクは常に時計に太陽系へのささやかな言及を取り入れてきた。もしこのような情報を描写する時計を作ることが解決策のない問題への答えであるとするなら、複雑な時計製造の多くも同様であり、特にこのブランドの風変わりで途方もないサテライト表示もそのひとつだ。この時計は、とにかく徹底的に“ユニーク”な時計を求める人のためのものである。

 スペースメーターは、幅広ながら薄いケースに収められている。サンドブラスト仕上げのチタン(ケースバックはステンレススティール)製で、UR-100シリーズを彷彿とさせるトノー型を採用。ケースサイズは幅45.4mm、高さ44mm、厚さは(傾斜のあるサファイアクリスタル風防を除いて)驚異的な7.13mmだ。防水性能は日常使いに適した30mを確保している。全面サンドブラスト仕上げを施したチタン製のブレスレットが付属しており、12時位置の大きなリューズに対応するユニークなエンドリンクデザインが特徴だ。ブレスレットもUR-100に似ており、短いコマのおかげできわめて着け心地がよく、微調整機能がなくても手首にぴったりと沿う。薄いとはいえ、時計はかなり幅広に見える。正直なところ、私の6.5インチ(約16.5cm)の手首には大きすぎたが、同僚のマークの7.25インチ(約18.4cm)の手首にはよくなじんでいた。

Urwerk Spacemeter UR-10 Wristshot
Urwerk Spacemeter UR-10 Caseback
Urwerk Spacemeter UR-10 Bracelet Side Wrist

 時計を裏返すと、広々としたサファイアのシースルーバックからウルベルクでおなじみの光景が広がる。空気抵抗によってローターの巻き上げ速度を調整し、ムーブメントを衝撃から保護するタービンローター(もちろん特許取得済み)だ。しかしスペースメーターのタービンは以前のバージョンとは少し異なり、ふたつの積層されたプロペラが逆方向に回転し、空気の流れを通じて互いに減速し合う新しい機構を採用している。これがまた、見ていて実に楽しいのだ。さらに驚きがある。ケースバックを24時間周期で回転する、赤い矢印の針が追加されているのだ。ケースバックにはその24時間スケールに対する自転と、公転を示すマーキングも刻まれている。さらに奥を覗くと、43時間のパワーリザーブ、2万8800振動/時の振動数を誇る。ウルベルクらしいインダストリアルな仕上げが施されたCal.UR-10.01を見ることができる。

 価格は7万スイスフラン(日本円で約1400万円)で、各ダイヤルカラー25本限定だ。スペースメーターは、ニッチのなかのニッチを追求するウルベルクの姿勢を示し続けている。このブランドは「なぜ?」という疑問よりも、「なぜやらないのか?」という問いに基づいて動いており、その考え方が長年にわたり彼らの時計の紛れもない個性を定義してきた。スペースメーターはその哲学に忠実であり、過度にドラマチックなレトログラードや回転ではなく、あえて針で表示することを選んだ型破りな情報を通じて、その遊び心を明らかにしている。