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我々が知っていること
ヴァーテックスは、創業者の曾孫が率いる英国の誇り高きブランドであり、2016年の復活以来、主に落ち着いたミリタリーテイストのデザインやカラーリングを採用してきた。しかし、3月8日に開催された第2回「ブリティッシュ・ウォッチメーカーズ・デイ」に合わせ、M60 アクアライオン ダイバーズウォッチの特別限定モデルを発表した。このモデルは、鮮やかなブルーのダイヤルとベゼルが特徴的な“タオルミーナ”と名付けられ、透明度の高い地中海の海とフリーダイビングの伝統で知られるシチリアの海沿いの村にちなんでいる。基本スペックは通常モデルのM60と同様に高性能なまま、より印象的なデザインに仕上げられている。
ケース径40mm、厚さ14mm、ラグ・トゥ・ラグの全長は49mmのM60 タオルミーナは、多くの腕にちょうどよく収まる誰にもおすすめできるサイズのダイバーズウォッチだ。文字盤のインデックスには、夜光素材X1を立体的にカットしたパーツが採用されており、ヴァーテックスによると、通常の夜光インデックスよりも1.6倍長く発光するという。ヴァーテックスの夜光を実際に体験したことがある人なら、その優れた視認性に納得するはずだ。実際、この発光性能の高さは、ブランドを象徴する特徴のひとつとなっている。
その他のスペックも注目に値する。ムーブメントにはクロノメーター認定を受けたセリタ SW360-1(ノンデイト仕様)を搭載し、腕から外しても56時間のパワーリザーブを誇る。また、ステンレススティール製ケースは600mの防水性能を備えている。さらに、ベゼルのデザインにもこだわりがあり、その独特のプロファイルは第2次世界大戦時のブレン軽機関銃の照準調整ホイールからインスピレーションを得たものだ。ベゼルは逆回転防止の60クリック仕様で、鮮やかなブルーのセラミックインサートが文字盤の色と美しく調和している。
このモデルには、3種類のストラップが付属する。クイックリリース仕様のステンレススティールブレスレット(ダイバーズエクステンション付き)、サイン入りピンバックルを備えたソフトラバーストラップ、そしてナイロン製のプルスルー仕様のズールーストラップだ。これらはすべて、防水仕様のペリカンスタイルのラックケースに収められて提供される。
価格は、日本円で約56万円(税込)。この限定モデルは3月8日に開催されるブリティッシュ・ウォッチメーカーズ・デイの会場で販売され、世界限定50本のエディションとして、ブランドの公式ウェブサイトからも注文が可能だ。詳細なスペックについては以下を参照のこと。
我々が思うこと
ヴァーテックスがM60 アクアライオンを2022年に発表した際、ジェームズ・ステイシーはハンズオンレビューのなかで「すべての要素が、本当にこのタイプの時計を愛する人によって慎重に考え抜かれているように感じる」と評した。オリジナルのM60を所有する筆者も同感だ。これまでに約200本の時計を着用し、実際にダイビングにも使用してきたが、フィット感、仕上げ、機能のバランスを考えると、M60は価格やブランドの知名度を問わず、最良のダイバーズウォッチのひとつに数えられると思っている。
ダイバーズウォッチに求められるポイントはすべて押さえられている。操作性に優れたベゼル、あらゆる状況下で抜群の視認性を発揮する夜光、精度の高いムーブメント、多様なストラップオプション、そして60気圧(600m)防水という余裕のあるスペック。いまだマイクロブランドと呼べる規模のメーカーとしては、これは決して侮れない完成度だ。
標準モデルのM60にひとつ気になる点があるとすれば、それは端正ではあるものの、やや控えめなデザインだろう。特にダイバーズウォッチは、ミリタリーの要素を取り入れると、機能性を重視した実用一点張りのスタイルになりがちだ。それ自体は計算されたデザインであり、水深30mの沈船のなかをフィンで進むようなシチュエーションでは頼りになるが、陸に戻るともう少し遊び心が欲しくなることもある。
しかしタオルミーナでは、鮮やかなブルーのダイヤルとベゼルに、さりげないレッドのテキストが加えられただけなのに、驚くほど印象が変わる。まるで、北海や荒れたイギリス海峡から一気にイタリアの陽光降り注ぐダイビングリゾートへと時計が旅をしたかのようだ。それでいて、視認性や性能には一切妥協がない。このわずかなデザインの変化が、時計の持つ雰囲気を大きく変えることに改めて気づかされる。
ヴァーテックスに対するこれまでの批判があるとすれば、その価格設定だろう。40万円を超えるとなると、競争はかなり激しい。しかしストラップの選択肢、ムーブメントの精度、ベゼルの仕上がり、さらにはパッケージに至るまで、細部にわたるこだわりを見れば、ヴァーテックスが小規模なブランドながらも、本気でユーザーの心をつかもうとしているのが伝わってくる。
それは決して簡単なことではない。というのも、ヴァーテックスの時計は、一般的な小売店で取り扱われているわけでもなく、街中で偶然誰かの腕に巻かれているのを見かけることもほとんどないからだ。そうした環境のなかで、同社は製品の完成度を高めることで、その価値を証明しようとしている。
基本情報
ブランド: ヴァーテックス(Vertex)
モデル名: M60 タオルミーナ(M60 Taormina)
直径: 40mm
厚さ: 14mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: 青
インデックス: アプライド
夜光: 立体成形されたX1 スーパールミノバ
防水性能: 600m
ストラップ/ブレスレット: クイックリリース仕様のSSブレスレット(ダイバーズエクステンション付き)、ロゴ入りピンバックルを備えたラバーストラップ、ナイロン製プルスルーのズールーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: SW-360
機能: 時、分、秒
パワーリザーブ: 56時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター認定: あり、COSC
価格 & 発売時期
価格: 2950ポンド(英国VAT込み、約3790ドル)、日本円で約56万円
発売時期: 3月8日ブリティッシュ・ウォッチメーカーズ・デイ
限定: あり、50本
詳細は、ヴァーテックス公式サイトへ。
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