Introducing エルメス H08にふたつのニューカラーウェイが登場

　こちらのモデルはケースとダイヤルのすべてがライトグレーで仕上げられており、ダイヤルのざらついた質感は外装ケースと呼応している。中央のサーキュラーサテン仕上げが施されたダイヤルリングはわずかに濃く、ニッケル仕上げも施されている。彩りは抑えつつ、秒針の矢印型の先端にエルメスを象徴するオレンジを差し色として配する。H08のダイヤルらしく、しっかりと様式化されたアプライドインデックスが外周を取り囲み、4時30分位置にはフォントを揃えた日付表示が設けられている。

　要するにこのH08は、現在もコレクションに残るグラファイトダイヤルを備えたオリジナルのチタン製H08に対し、ライトトーンのダイヤルを持つ補完的なバリエーションといえる。しかし新しいデザインでは、同素材のチタンブレスレットとの組み合わせがより自然に映える。もっとも、ブレスレットが好みでない場合でもこのカラーウェイは非常に汎用性が高く、どの色のストラップとも相性がよい。実際、エルメスはオレンジ、ブルー、ブラックのラバーストラップや、ブルーおよびブラックのファブリックストラップと組み合わせた仕様も用意している。

　もうひとつの新しいチタンモデルは、より目を引くデザインを採用している。ブラックセラミック製ベゼル、ブラックゴールド処理を施したダイヤル中央リング、そして淡いブルーのサン=シール夜光を塗布したインデックスと針が特徴だ。このモデルにはダークグレーのラバーストラップ、あるいは同色のサン=シールカラーを合わせたストラップが用意される。

　すべての時刻・日付表示仕様のH08と同様に、このモデルも自動巻きCal.H1837を搭載している。このムーブメントは、エルメスが25％出資するムーブメントメーカー、ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルーリエによって製造されたもの。スペックはきわめて標準的で、振動数は2万8800振動/時、50時間のパワーリザーブを備えている。ローターとメインプレートには、今やブランドの象徴的な意匠となった“H”の繰り返しパターンと、サンレイ仕上げが施されている。

　新たなエルメス H08はすでに発売されており、モノクロチタンモデルはチタンブレスレット仕様で7200ドル（日本円で約110万円）、サン=シール アクセントモデルはラバーストラップ仕様で7600ドル（日本円で約112万円）だ。

　シーズナルカラーや、ほかのプロダクトでの絶え間ない新バリエーション展開を得意とするブランドであることを考えると、H08コレクションに新しい解釈が加わるまでにこれほど時間がかかったのは意外である。今回のふたつの新しいカラーウェイは、直近の大きなリリースで登場したカラフルなグラスファイバー製ケースモデルほど大胆ではない。しかし実際に目にするときわめて美しく調和が取れており、普段は淡いブルーに引かれることが少ない自分でもこの“サン=シール”カラーは見事に機能していると感じる。

　これまでのH08の新作がやや攻撃的で主張の強い仕上がりだったのに対し、今回の2モデルは穏やかで落ち着いた雰囲気であり、もともとコレクションに存在していて当然のように感じられる仕上がりだ。

ブランド: エルメス（Hermès）
モデル: H08

直径: 39mm（ラグ・トゥ・ラグ 42mm）
厚さ: 10.6mm
ケース素材: チタン
文字盤色: ロジウム仕上げ、ライトグレー
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: チタン製ブレスレットまたはラバーストラップ

キャリバー: H1837
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示
直径: 26mm
厚さ: 3.7mm
パワーリザーブ: 50時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター認定: なし

価格: チタンモデル／チタンブレスレット仕様は7200ドル（日本円で約110万円）、サン=シールモデル／ラバーストラップ仕様は7600ドル（日本円で約112万円）。
発売時期: 発売中
限定: なし

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