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ウブロは毎年この1月に50本前後という多くの新作を発表するが、今回の目玉は何といっても一体型ブレスレットタイプのビッグ・バン ウニコ42mmの登場だ。“アート・オブ・フュージョン”を掲げ、高級時計にラバーストラップを付ける画期的アイデアを定着させた同社が、現在市場を席捲している金属製の一体型ブレスレットを開発してきたのだから、これを衝撃的と言わずして何とする、といったところである。
しかも、ビッグ・バンは15周年、ウブロ自体は40周年(再起してから15年だが)という節目の年にこれを打ち出してくるのだから、並々ならぬ覚悟を感じる。CEOのリカルド・グアダルーペ氏は「ラバーは確かにウブロのアイデンティティだ。しかし、ビッグ・バンも15周年を迎え、ブランドとしてもいったん成熟期に入ったと考えた。ブレスレットは、イノベーションを加えるという意味で、時計のパーツの中でも最も製作が難しい。しかも、このカテゴリには多くのアイコニックな時計が既に存在しているからなおさらだ」と語る。静かに淡々と話す様子からは、他の強いコンペティターをはっきりと想定しているのだと感じさせた。
この"覚悟"は商品にも現れており、これまで革新を貫いてきたウブロがここへきて過去の自社モデルからインスパイアされた痕跡が見られる。このビッグ・バン インテグラルは、これまで同コレクションのベーシックサイズだった45mmから42mmへサイズダウンされ、クロノグラフのプッシャーもモデル誕生当時の角型へ、インデックスはバーに統一されている。3連で幅の広いコマを用いたブレスが腕に沿うように装着できるおかげもあり、全体的にシェイプアップされたこのインテグラルは、モダンな着用感と実用性に富んだ仕上がりとなっている。ウブロが普通に使える時計を発表してきたことが、ブランドとして成熟してきた何よりの証だと思う。
インタビューの最中、リカルド氏は「一体型ブレスレットを持つラグジュアリーな時計は確かに競合が多いが、我々はオープンスタイルと色々なケース素材を組み合わせるというユニークなものを作った手応えも感じている。つまり、マテリアルにおいて最もイノベーティブなブランドであり続けている自負があるのだ。今回、ブラックセラミックのインテグラルを発表したが、今後、レッドやブルーなど、ウブロの"アート・オブ・フュージョン"を体現したモデルを作る予定もある。我々は、ラグジュアリーにおいては常にヤングブランドであることを忘れず、コンペティティブでいる必要があるからね」と自信をにじませた。