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クイック解説
ブルガリはこれまで音楽家や画家など日本人芸術家とオクト フィニッシモのコラボレーションモデルをリリースしてきました。今回ブルガリが、新たにコラボレーションするのは、世界的に著名な日本の建築家です。
本機は、直径40mm、厚み5.15mmの極薄のチタン製ケースにサンドブラスト加工を施したものを採用しています。内部にはブルガリが誇るわずか2.23mmの自社製キャリバー BLV138を搭載。自動巻きムーブメントで、比重の高いプラチナ製のマイクロローターを採用することで巻き上げ効率を高めました。防水性能も30mと基本的なスペックは、これまでのオクト フィニッシモから変わりはありません。この時計の特筆すべき点は、もちろんそのデザインにあるのです。
デザインを手がけたのは、日本を代表する建築家のひとりである安藤忠雄氏です。文字盤上からは、通常モデルにあるブルガリのロゴやアラビア数字のインデックスとバーインデックスなどはすべて取り払われました。もちろん"SWISS MADE"の表記も残らずです。代わりにスモールセコンドの付け根の部分から渦を巻いた螺旋状の模様が描かれています。
同氏はこのデザインについてこう述べています。
遠い宇宙空間に存在するブラックホールというテーマが頭をよぎった。
時計の周辺から秒を刻む中心に向けて渦を巻き、次第に深みに見えなくなるといったイメージである。
時と共に広がる水の波紋でもある。
それは、集中から拡散への、時を超える、無限、永遠性の表現である。
– 安藤 忠雄そしてケースを裏返すとトランスパレントバック仕様になっており、中央に安藤忠雄氏のサインと「Tadao Ando- Limited Edition」の刻印を確認することができます。
ファーストインプレッション
オクト フィニッシモは、間違いなくクールな時計です。八角形のアイコニックなケースデザインはもちろん薄いサイズだからこその軽快な装着感、そして内部に搭載するのは最先端の極薄の自社ムーブメント。そしてその時計と建築家の安藤 忠雄氏が出会ったことでさらにクールな時計が生まれました。
同氏といえば、彼の代表作である「フォートワース現代美術館」、「光の教会」や「21_21 DESIGN SIGHT」などからも分かる通りコンクリートを基調としたデザインが特徴のひとつとして挙げられます。このコラボレーションでもその特徴を、サンドブラスト加工を施した無機質な質感のチタンを通して感じることができます。また、他の同氏のデザインの特徴として自然との調和も挙げることができるのですが、これは文字盤の水の波紋のようなデザインが表しているのではないでしょうか。
私がこの時計の文字盤を初めて見たときに思い浮かんだのは、日本庭園の枯山水です。水を用いずに石や地形を利用して山水の趣を表現した庭園ですが、文字盤上の針から広がる波紋がそう抱かせるのかもしれません。また、この丸みを帯びた模様を描く文字盤と八角形のベゼルといった角ばったデザインとの調和が素晴らしいと思いました。
本モデルの価格は税抜で180万円で、通常モデルとの価格差は約30万円です。日本の著名な建築家に自宅のデザインを依頼することは容易ではありませんが、このモデルなら手に入れやすい価格であり、また常に身に着けることができるということもポイントかもしれません。
なお、今回ご紹介した3針モデルの他に、限定8本のオクト フィニッシモ オートマティック トゥールビヨンとのコラボレーションモデルも存在します。
基本情報
ブランド:Bvlgari (ブルガリ)
モデル: Tadao Ando x Bvlgari Octo Finissimo Automatic(安藤忠雄 x ブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック)
型番: SAP103245
直径: 40mm
厚さ: 5.15mm
ケース素材: チタン(サンドブラスト加工)
文字盤色: グレー
インデックス: なし
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: チタン製ブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: BLV138
機構: 時・分・スモールセコンド
直径: 36.60mm
厚さ: 2.23mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 6Hz(2万1600振動/時)
石数: 36石
クロノメーター認定: なし
追加情報: ケースバックに安藤忠雄氏のサイン
価格・発売時期
価格: 180万円(税抜)
販売時期: 2019年12月予定
限定: 200本
詳細は、ブルガリ公式サイトをご確認ください。
Photographs by Stephen Pulvirent, wristshots by David Aujero.
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