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カリフォルニア州クパチーノの曇り空からこんにちは! 2025年はApple Watch誕生から11年目にあたる。つまりHODINKEEが、毎年恒例のアップル・ローンチイベントを現地で取材するようになってからも11年が経ったということだ。そのあいだ、最新世代のiPhoneやApple Watchが発表され、そして11年にわたって読者がこれは時計と呼べるのかとコメント欄で議論を交わしてきた。今年のティーザーでは“言葉にできないほどの驚き体験(awe-dropping)”が示唆されていたが、新製品がついに公開された。もちろんそこには新世代のiPhoneやAirPodsも含まれるが、我々の関心はApple Watchにある。
昨年の10周年記念モデルであるApple Watch Series 10では、プロポーションに大きなアップデートが加えられた。大幅に改善されたより大型のスクリーン、薄型化されたプロファイル、そして柔らかみを帯びたシルエット。これらは昨年9月に紹介したが、変更のほんの一部にすぎない。一方、Apple Watch Ultra 2は新たに堅牢なDLCコーティングが導入され、真新しいミラネーゼブレスレットが追加された以外、大きな変更はなかった。
Series 11とSE、新たに加わったものとは?
基調講演でのApple Watchパートは、同製品によって大きな影響を受けた人々を紹介する、厳粛でありながら心温まるモンタージュ映像で幕を開けた。これによりヘルスケア機能の大幅な拡張と、日常生活におけるその重要性を強調する舞台が整えられた。年々、ヘルス機能がますます洗練されていくなか、機械式時計にこだわる層を除いた私の知人の多くがApple Watchを愛用している理由はまさにここにある。
健康管理機能には大きな追加がふたつある。ひとつは心拍センサーをベースにした高血圧を検知する機能、もうひとつは睡眠スコアだ。ほかのヘルスデバイスで睡眠データをゲーム感覚で管理することを楽しむ人のために、睡眠トラッキング機能に睡眠スコアを導入し、毎朝スコア改善のためのヒントを提示してくれる。また、睡眠トラッキングをより重視するため、バッテリー駆動時間は24時間へと延長された。
新しいイグザクトグラフ(Exactograph)のフェイスは、レギュレーターダイヤルへのオマージュだ。
ダイヤルにおいては、新たに2種類のウォッチフェイスが追加された。ひとつはリキッドグラスデザイン、もうひとつは時計愛好家に向けた“イグザクトグラフ(Exactograph)”で、これはレギュレーターダイヤルへのオマージュである。イグザクトグラフや昨年のギヨシェ装飾へのオマージュといったデザインから、アップルが依然として伝統的な時計の世界からインスピレーションを得ていることがうかがえる。
おそらく最大のアップデートはエントリーモデルであるApple Watch SEだろう。新世代SEは大幅な機能強化が図られ、Series 11にかなり近づいた。新しいSEには常時表示ディスプレイと最新のS10チップが搭載され、パフォーマンス全般が向上している。さらに重要なのは、手首皮膚温を計測する機能と片手での操作機能、そして高血圧検知と睡眠スコアといった、新たに追加されたふたつのヘルス機能を備えた点である。これはアップルの最も手ごろなスマートウォッチにもプレミアムな健康管理機能が導入されるという、大きな価値の転換を意味している。
Apple Watch Ultra 3、待望のアップデート
昨年はアップデートが行われなかったが、今回、Apple Watch UltraシリーズがUltra 3として復活。今回はアウトドア愛好家やエクストリームスポーツのアスリート向けに大幅な改良が施されている。ディスプレイにはSeries 10から継承した広視野角OLEDといった技術を採用しており、ベゼルを薄くしたことでケースサイズを変えずにスクリーンを大型化できた。
接続性能こそがUltra 3における最大の進化点である。5Gセルラー通信に加え、アップルは衛星通信を導入した。これは通信圏外へ出かける人々に安心をもたらす画期的な機能といえる。緊急SOS機能は2年間無料で利用でき、バッテリー駆動時間が劇的に改善されたことで42時間という驚異的な持続時間を実現。充電の機会が限られる数日間のアウトドア活動における最大の懸念点に応えるものとなった。
興味深いことに、リサイクルチタンケースは新しい3Dプリント製法で製造されている。アップルによれば、この方法によってケースごとに使用される素材を大幅に節約できるという。実際に手に取ったときに本体の感触が違うのかどうか、ぜひ確かめてみたいと思う。
Apple Watch Ultra 3向けに新しいエルメス製バンドが登場。
今回の発表では金属ケースの新世代モデルをほんのわずかに目にする機会しかなかった。今後数週間のうちに実機レビューをお届けする予定なので楽しみにして欲しい。
なお、3モデルすべてが予約注文が開始している。一般販売は9月19日からだ。
基本情報
ブランド: アップル(Apple)
モデル: Apple Watch Series 11
直径: 46mmまたは42mm
幅: 39mmまたは36mm
厚さ: 9.7mm
ケース素材: チタン(ゴールド、ナチュラル、スレート)/アルミニウム(ローズゴールド、シルバー、スペースグレイ、ジェットブラック)
重量: 46mm/37.8g(アルミニウム)、36.9g(アルミニウム、GPS+セル)、43.1g(チタン)
42mm/30.3g(アルミニウム、GPS)、29.7g(アルミニウム、GPS+セル)、34.6g(チタン)
バッテリー: 通常使用で最大24時間、低電力モードで最大38時間
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: 複数の素材、ケースにマッチした金属製、ナイキやエルメスによるデザインを含むさまざまな素材
モデル: Apple Watch SE 3
直径: 44mmまたは40mm
幅: 38mmまたは34mm
厚さ: 10.7mm
ケース素材: アルミニウム(スターライト、ミッドナイト)
重量: 44mm/32.9g(GPS)、33.0g(GPS+セル)
40mm/26.3g(GPS)、26.4g(GPS+セル)
バッテリー: 通常使用で最大18時間、低電力モードで最大32時間
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: 複数の素材、ケースにマッチした金属製、ナイキやエルメスによるデザインを含むさまざまな素材
モデル: Apple Watch Ultra 3
直径: 49mm
幅: 44mm
厚さ: 12mm
ケース素材: チタン(ナチュラル、ブラック)
重量: 61.6g(ナチュラル)、61.8g(ブラック)
バッテリー: 通常使用で最大42時間、低電力モードで最大72時間
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: 複数の素材、ケースにマッチした金属製、ナイキやエルメスによるデザインを含むさまざまな素材
価格&発売時期
価格: Apple Watch Series 11(6万4800円〜/GPS、8万800円〜/GPS+セルラー)、Apple Watch SE 3(3万7800円〜/GPS、4万5800円〜/GPS+セルラー)、Apple Watch Ultra 3(12万9800円〜/GPS+セルラー)
発売時期: 3モデルすべて9/10(水)から予約開始、一般販売は9月19日より。
詳しくはこちらをご覧ください。
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