ADVERTISEMENT
※本記事は2026年7月17日に執筆されたUS版の翻訳です。
ロブ・トーマスがずっと昔に歌ってくれたように、私たちは真昼の太陽からわずか7インチの距離にいるわけではないが、それでもどれだけ暑いかは言うまでもなく十分だ(わかっている、もちろん1億5000万kmも離れているのは知っている)。皆さんがこれを読んでいる場所が、今よりずっと涼しく、煙で充満していないことを願っている。そして犬を飼っている人には、2週間前のあのホリデーで受けた恐怖から、愛犬がようやく立ち直っていることを願っている。
先週の結果を振り返ると、チューダー ブラックベイ ピンク “インテル・マイアミ”は2万9700ドル(日本円で約470万円)で落札され、ロンジン ウルトラクロンは440ポンド(日本円で約9万5000円)で落札された。ジャガーのクロノグラフは土曜日に落札予定(編注;現在オークションは終了している)で、2本のチューダー レンジャーは今もなお(信じられない。いったい何を待っているんだ?)購入可能な状態だ(編注;Goldfinger's Vintageが出品していたレンジャーは売却済み)。
番外編
少し前に紹介したチューダー レンジャー II を見逃した方は、こちらの実に素晴らしい個体を(編注;現在オークションは終了している)。このジャガー ルクルトは、私が最近見たなかで最も美しくシンプルなソリッドゴールド製で、P469/Aを搭載している(編注;現在オークションは終了している)。つまり、第2次世界大戦で何万人もの兵士が時間を守り続けたのと同じムーブメントを使用している。またこのエベラールは単純に着けて楽しめそうな時計に見えるし、時にはそれだけで十分だ(編注;現在オークションは終了している)。このエドックス ジオスコープ 42は少々複雑な時計ではあるものの、遊び心満載なのは変わらない(編注;現在オークションは終了している)。海への造詣の深さをアピールしたい人には、Hess Fine Artから出品されているほぼニューオールドストックに近い状態のホイヤー レガッタがおすすめだ(編注;現在オークションは終了しており、4300ドル/日本円で約68万5000円で落札)。同じオークションには、ロレックス サブマリーナ― Ref.1680(編注;現在オークションは終了しており、7500ドル/日本円で約119万6000円で落札)とシードゥエラー Ref.1665 Mk1も出品されている(いずれも1978年製なので、誰かが僕のために生まれ年の時計を買ってくれないかなと思っている人にはうってつけだ)。最後に、ワールドカップへの熱がまだ冷めきっていない方のために、素晴らしいオメガ シーマスター クロノグラフ サッカータイマーとブライトリングのフットボールタイマー(編注;現在オークションは終了している)を紹介しよう。
チェック
エルメス カレーシュ
Photo courtesy Huntington Company
こういった時計はご存知だろうか? 少し変わった見た目で、まるで「嫌いになってみろ」と言わんばかりの雰囲気を持つ時計。もちろん、こういう時計に対するイメージは人それぞれで、好みやスタイルは変化していくものだ。だがそれこそが、時計の面白さのひとつと言えるだろう。それに決して醜いわけではなく、ただ一見しただけではしっくりこないというだけのことだ。音楽で例えるなら、不協和音のようなものだ。
そこで、このエルメス カレーシュについて見ていこう。出品リストをスクロールしているときに見つけたのだが、最初は上部が摩耗の跡だと思っていた。だが写真をクリックして大きな画像を見てみると、それが実はエルメスの馬車のシンボルだと気づいた。まあ、ちょっと変わった時計だな、くらいに思って、そのまま次のページへ進んだ。
しかし、私は何度もその時計に目を奪われてしまった。皆さん、正直に言うと、まだこの時計が好きかどうかは確信が持てないが、どうしても見入ってしまうのだ。幅はわずか24mmで、きわめてコンパクトだが、深みのあるブラックダイヤルとシンプルでミニマルなデザインが実に魅力的だ。上部にエンボス加工された馬車のシンボルに対してどう思うかについてはさておき、ケース自体は驚くほど美しく、状態もきわめて良好だ。小さくてシンプルな手巻き時計で、確かに完璧なデイリーウォッチとは言えないかもしれませんが、その魅力には抗えない。
Huntington Companyでは、このカレーシュを2900ドル(日本円で約46万2000円)で販売している(編注;現在オークションは終了している)。モデルの人気が高まり、私がかつて「完璧に美しいとは言い難い」などと言っていたことを後悔する前に、この奇妙な美しさを纏う時計を手に入れる度胸のある誰かに、私は敬意を表したい。
アンジェラス アンチ・マニティック Cal.215
確かにクロムメッキのケースにはすでに摩耗が見られるし、もしかしたらあなたも私と同じように、四角いプッシャーを備えたクロノグラフに妙な苦手意識や抵抗感を持っているかもしれない。それはもっともな反論だ。だがこのアンジェラスは、私たちが時計を探し始めたときに手に入れられたらうれしいエントリーレベルのクロノグラフそのもののように思える。まず、アンジェラス製ムーブメント Cal. 215を搭載していることからして魅力的だ。コラムホイール式かつ垂直クラッチを備えた美しいムーブメントである。そして次に目を向けたいのが、あのダイヤルだ。
私もほかの人と同じようにセクターダイヤルの魅力には抗えないし、このダイヤルはかなり良好なコンディションに見える。出品ページに掲載されている写真は1枚だけで、少し色が飛んでいるように見えるが、実物はより美しく、より深みのある色合いで、ブルーの針とのコントラストが際立っているのではないかと思う。この時計は7月22日に落札予定で、推定落札価格は800〜1200ポンドだ(日本円で約17万2000から約25万9000円/編注;現在オークションは終了している)。
ロレックス GMTマスター II Ref.116748SARU
宝石をあしらったロレックスは、私にはいつも理解しがたいものに思える。もっとも、そう思うべきではないのかもしれない。もちろんロレックスは一流ブランドであり、何をしても構わない。しかし総合的な実用性と信頼性(そして将来にわたってメンテナンスが可能な時計を設計すること)を基盤として名を馳せたブランドがこれほどまでに堂々と派手な装飾を施しているというのは、やはり少し奇妙に感じてしまう。
もちろん、これらはどれも悪いことではないし、このGMTマスター IIはこうしたきらびやかな装飾が全く悪くないどころか、むしろその魅力を存分に示している好例だろう。ちなみに型番にあるSARUはサファイア(SApphire)とルビー(RUby)の略だ。そして言うまでもなく、時計本体が18Kゴールドでできていることから、この時計の煌びやかさがベゼルだけにとどまらないことは明らかだ。またロレックスがこうした製品の品質管理と維持にどれほど力を注いでいるかは、おそらく既にご存知だろう(例えば、時計ケースとブレスレットはロレックス自社の鋳造所で作られたゴールドを使用し、ベゼルは社内の宝石職人が内部に傷のない宝石のみを使用して製作)。これほどの手間をかけて作られていることは、こうした個体を見ると実によくわかる。
一見するとツールウォッチのように見えるこの時計だが、実際にはツールウォッチとは程遠い存在だ。世界中の99.9%の時計と比べても高級で、それに見合うようにTropical Watchで9万2000ドル(日本円で約1400万円)弱で販売されている。時計にいくらの価値があるのかという問いは、いつだって議論するには難しすぎるものであり、議論する価値もあまりないが、これほど素晴らしい品質でありながら、箱と保証書が付属し、使用感もほとんどないこの個体は当然相応の金額になるだろう。この時計は現在Tropical Watchで、これだけの買い物をする余裕のある人を待っている(編注;現在こちらの時計は売却済みだ)。
ブローバ “ホワイトプリンス”
ジャンピングアワーの時計は、ここしばらく確実に注目を集めているが、不思議なことに、一般的にヴィンテージのジャンピングアワーの価格がそれほど跳ね上がっていないことだ。クロムメッキ仕上げのケースやスティール(SS)製ケースのジャンピングアワーなら、今でもさまざまなブランドから1000ドル(日本円で約15万円)以下でたくさん見つけることができる。このブローバ “ホワイトプリンス”はそれよりもかなり高価だが、一般的に見かけるジャンピングアワーよりも、時計としての存在感も一段上だ。1932年に登場したブローバ プリンスはブランド初のデジタルウォッチであり、この特定のモデル(Craft+Tailoredで64万8500円で販売中)は、その時代のものとしては最高レベルのものだ。
Photo courtesy Craft+Tailored
オリジナルのブレスレット付き(それ自体が珍しい)のこのブローバには、魅力的な点がたくさんある。ヴィンテージのジャンプアワーウォッチを探したことがある人なら、この時計がディスクの摩耗や変色、汚れといった一般的な状態を免れていることがすぐにわかるだろう。さらに、たとえタイポグラフィに詳しくなくても、ディスクの数字が信じられないほど美しいことはわかるはずだ。10の0を見て欲しい! またケース自体も美しく装飾されており、全体的にきわめて良好なコンディションに見える。つい流し見してしまいそうになるかもしれないが、このケースを作るのにどれだけの時間がかかったのかを想像してみて欲しい。ディスクの開口部に注目するとわかるだろう。面取りされているだけでなく、研磨されているのだ。もしかすると今の私たちからすると、特別な時計には思えないかもしれないが、当時は間違いなく、特別な存在だったのだ。
これもまたCraft+Tailoredでは上記のSARUと同様に、64万8500円で販売されている。価格の妥当性について議論するのはおそらく的外れだろう。本当に素敵な時計だ。
ゴールドバーガー社製のオメガ2852のペア
モナコ・レジェンド・オークションは25日に、The Goldberger Omega Time-Only Collectionオークションを開催する(編注;現在オークションは終了している)。これはいろいろな意味できわめて魅力的なオークションだ。ジョン・ゴールドバーガー氏は伝説的なコレクターであり(彼は、時計を開ける際に『冒険野郎マクガイバー』の主人公ばりの独創的な方法を使うことでも知られている)、モナコ・レジェンド・オークションズはSS製のパテック・フィリップ 1518のような時を探すならまずチェックしたいオークションハウスだ。そして時・分表示のみのオメガについては、もはやそれ自体が魅力的だ。
Photo courtesy Monaco Legend Group
オークション全体を見る価値は十分にあるが、特に私の目を引いたのは、コンステレーション Ref.2852のペアだった。1本目は未研磨と思われるSS製で、ハニカムダイヤルとシャークトゥース型のインデックスを備えたモデルだ。ダイヤルには多少の傷みがあるものの、(個人的には)その小さなマイナス要素を補って余りあるほど全体の出来が素晴らしいと感じる(ちなみにラジウムを避けたい人にも朗報で、こちらは夜光を一切使用していない個体だ)。10角形のリューズも残っており、オメガのビーズ・オブ・ライス・ブレスレットが付属する。推定落札価格は1000〜2000ユーロ(日本円で約18万4000円から36万9000円)で、その価値は十分にあるように思える。
Photo courtesy Monaco Legend Group
2本目は、こちらのピンクゴールドの逸品だ。この時計について私が何を語ったとしても、その魅力は写真のほうがずっとうまく伝えてくれる気がする。このダイヤルはまさに夢のように美しく、ブレスレットも文句なしに色気がある。ケースバックには、刻印やホールマークもはっきりと残っている。写真だけでは、ケースが過去に軽くポリッシュされたのか、それとも(比較的)柔らかい金属であるため経年劣化が見られるだけなのかはわからないが、それを理由に購入をためらう必要はないだろう。推定落札価格は4000〜8000ユーロ(日本円で約73万9000円から147万8000円)。オークションは25日に終了するので、それまでに不在入札を入れておきたい(編注;現在オークションは終了しており、1万6900ユーロ/日本円で約310万円で落札)。
もし、どちらもあなたの「時・分表示のみのオメガが欲しい」という深い欲求を満たしてくれないなら、Goodwillには、ほぼ間違いなくオメガ シーマスター Ref.2846と思われる見事なほどの経年変化を遂げた1本が出品されている(編注;現在オークションは終了しており、501ドル/日本円で約7万9000円で落札) 。
話題の記事
Bring a Loupe エルメスのカレーシュ、クロームメッキ仕上げのアンジェラス、そしてロレックス “SARU”
Introducing ブランパン フィフティ ファゾムス バチスカーフ 70th アニバーサリー リミテッド・エディションが登場
Introducing フィアーズ ブランズウィック 40.5 ジャンプアワー “ウルティマス”