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Introducing ショパール L.U.C グランド ストライクを発表

ショパール マニュファクチュール30年の集大成。

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クイック解説

ドバイウォッチウィーク 2025の開催に合わせて、ショパールがマニュファクチュール設立30周年を祝したメゾン史上最も複雑なチャイム機構搭載の大作、L.U.C グランド ストライクを発表した。

 開発・設計から製造に至るまで、すべての生産工程を自社で手がけたという本作は、グランソヌリ、プチソヌリ、ミニッツリピーターを搭載したグランドコンプリケーションだ。2016年の登場以降、ショパールのチャイミングウォッチの象徴ともなっている風防と一体でモノブロック成形されたサファイアクリスタル製ゴングによるチャイム機構を採用。ショパール マニュファクチュールでの約20年に及ぶソヌリ開発のノウハウ、10年に及ぶサファイアクリスタルのモノブロック技術の蓄積を礎とした技術が盛り込まれている。

 このプロジェクトには、初期段階の試行的な研究や技術設計、実用的なプロトタイプの製作に至るまで1万1000時間以上も費やされ、そのうち2500時間以上は最終製品の完成度を高めるため、プロトタイプの微調整に充てられたと言う。

 直径43mmの18Kエシカルホワイトゴールド製ケースに収まるのは、計686点ものパーツで構成されるCal.L.U.C 08.03-Lだ。完全なオープンワーク仕様になっており、ダイヤル側からもその全体像を見ることができる。ケースデザインは端正であるものの、きわめて控えめ。そのため、視線が自然とムーブメントへ注がれ、繊細なメカニズムに目が奪われる。

 10時位置にはポリッシュ仕上げのふたつのスティール製ハンマーが配されており、この時計がチャイミング機構を備えた“鳴り物時計”であることをわかりやすく主張する。ストライクワーク作動用プッシュボタン一体型リューズは手巻きということもあって、8.25mmと大ぶりだ。そして巻き上げおよび時刻設定用リューズの隣には、エルゴノミクスデザインのスライド式セレクターが設けられ、これによりグランソヌリ(G)、プチソヌリ(P)、サイレント(S)の3つのソヌリモードを切り替えることができる。

 ショパールが特許を取得するダイヤル(風防)と一体のモノブロックサファイアクリスタル製ゴングとそれによる音響特性、そしてそのバックストーリーについては、L.U.C25周年を記念して発表されたチャイミングウォッチ3部作に関する記事に譲るが、L.U.C グランド ストライクでは製作に際して出願中及び取得済の特許が10件も採用されており、これらの特許は、ムーブメントを偶発的な誤操作から保護する重要なセキュリティー機構やチャイミングのテンポを最適化する改良など、本作のあらゆる機能面を網羅する。そのうち5件については、本作のために新たに申請された特許で、その力の入れようがうかがえる。その5件の新特許とは、以下の5つである。

  1. 1. プッシュパーツの誤操作から保護するストライクワーク作動安全機構
  2. 2. スライド式モードセレクターを複数回作動させた際に、時刻表示誤差を防ぐ安全機構
  3. 3. エネルギー効率を最適化するブレーキスイッチ付きストライクワーク香箱
  4. 4. トルク不足時の不完全な打鐘を防ぐエネルギー閾値機構付きストライクワーク香箱
  5. 5. 衝撃を軽減するアンチショック形状の軽量ストライキングハンマー

 なお、1と2の特許は、使用上の安全性に関するものだ。着用者がムーブメントに損傷を与えることなく、いつでもチャイム機構を作動させることができ、またチャイムモードを切り替える際にも時刻表示に誤差が生じないようにしている。

 残る3件はいずれもパフォーマンスの最適化に特化したもの。3の特許はソヌリチャイムの起動に必要なトルクを低減するエネルギー効率の高い新しいクラッチ機構で、これによりソヌリ香箱のパワーリザーブを効率的に延長。4の特許は、トルクが不足している場合、ソヌリチャイムの起動をブロックする機構で、これによりチャイムの途中停止や不完全な打鐘を回避する。そして5の特許は、ハンマーの形状により慣性モーメントを変化させることで、偶発的な衝撃が発生した場合にサファイアクリスタルゴングへのダメージを最小限に抑えるためのものとなっている。

Cal.L.U.C 08.03-L

 L.U.C グランド ストライクが搭載するソヌリ・リピーター機構について、もう少し細かく解説したい。本作は、チャイミング機構のなかでも最も格調高いグランソヌリを搭載しており、時刻を時・15分・分ごとに正確に音で知らせる。また、チャイム音の少ないプチソヌリモードに切り替え、1時間ごとに時を、その後は15分ごとに知らせることもできる。本作の自動チャイムは、必要に応じて完全停止もでき、その際はミニッツリピーター機能を手動で作動させた場合にのみ、時刻を打ち鳴らす。

 手動(ミニッツリピーター)または自動(グランソヌリ、プチソヌリ)でチャイムを作動させるたびに34の部品が一斉に動き出して時刻を告げるが、これらの部品は手作業で調整された板ばね(ブレードスプリング)によって制御されており、待機状態から作動可能な状態に移るまでにかかる時間はわずか0.03秒だという。

 また優れたエネルギー効率を実現するため、本作が搭載する自社製手巻きCal.L.U.C 08.03-Lは、ふたつのゼンマイ香箱を備えており、ひとつは計時機能用、もうひとつはチャイミング機構専用としてそれぞれ独立している。ソヌリ用の香箱は完全に巻き上げられた状態で、チャイムを頻繁に鳴らすグランソヌリモードにおいても12時間途切れることなく作動し続けるエネルギーを提供する。

 優れた使い勝手に加え、長期使用にも耐えうる堅牢性を備えるところも本作の見どころだ。ショパール マニュファクチュールではプロトタイプの段階からL.U.C グランド ストライクの社内品質管理を徹底。2種類のソヌリモードではそれぞれ同数ずつ、計6万2400回作動させる試験を行い、3ヵ月で5年間の使用状態をシミュレートする加速プロセスを実施する。また、ミニッツリピーターについてはリューズプッシャーで連続3000回作動させ、ムーブメントの長期使用への耐久性を検証したという。この全工程を通して、サファイアクリスタル製ゴングはテスト中に50万回以上も打鐘されることになり、その耐久性と信頼性が実証される。

10時位置に配置される、ふたつのスティール製ハンマー。

サファイアクリスタル風防と一体のモノブロックサファイアクリスタル製ゴング。


ファースト・インプレッション

計686点ものパーツで構成されるCal.L.U.C 08.03-L。

プレスリリースなかでショパールが、本作を“同メゾンの共同社長カール‐フリードリッヒ・ショイフレ氏が主導してきたソヌリ・リピーター開発の集大成”と位置付けているが、ソヌリ・リピーター開発に留まらず、L.U.Cコレクションの集大成と言っていいほど、本作にはこれまでに培った技術が惜しみなく投入されている。

 メゾンはL.U.C グランド ストライクの源流について、多様な天体表示やトゥールビヨンなど、14の複雑機構を搭載したL.U.C オール イン ワン(2010年)、そしてCOSC認定された5万7600振動/時のハイビートモデルであるL.U.C 8HF(2012年)にまでさかのぼることができると資料で記している。直接的な源流という意味ではそうなのだろうが、L.U.C グランド ストライクの主たる機構であるソヌリの基盤となるマルチバレル(多重重箱)構造は、4つの香箱を備えたL.U.C クアトロの開発を通じて培われた知見によるものだろう。

 またCOSC認定を取得した高精度なワンミニッツトゥールビヨンは、L.U.C フル ストライク トゥールビヨンや数々の高精度トゥールビヨン開発で蓄積された経験やノウハウに基づくもので、ソヌリ機構の瞬時起動は2025年の新作として発表されたL.U.C ルナ ワンのジャンピング表示を備えたパーペチュアルカレンダー開発から得られたフィードバックがあってこそ。そしてスティールではなくサファイアクリスタル製ゴングは、2016年に登場したミニッツリピーター、L.U.C フル ストライクの技術がベースであることは明らかだ。

 まさにショパール マニュファクチュールが、その持てる技術を注ぎ込んで生まれたのが、L.U.C グランド ストライクなのだ。

 マニュファクチュールのこれまでの歴史と技術の粋を集めて生まれた時計というところには、なんともロマンを感じる。ただ、本作のスペックシートを見ていて筆者が心を引かれたのは、よもや精度や使い勝手など超越したようなコンプリケーションウォッチでありながら、時計として実用的であろうとする姿だった。

 例えば、L.U.C グランド ストライクは、トゥールビヨンをはじめとする計時機能に加え、膨大な数の部品と多彩なチャイム機構を搭載しているにもかかわらず、直径43mm、厚さ14.08mmというサイズに抑えられている。もちろんグランソヌリ、プチソヌリ、そしてミニッツリピーターを搭載した時計で本作よりもコンパクトなサイズに収まっている他社の製品がないわけではないが、スケルトナイズするなど、その立体感を強調しながら、これほどのサイズ感を実現したところには好感が持てる。

 そして本作の驚くべき点は、エネルギーの使用が多いチャイミングウォッチでありながら、同様に多くのエネルギーを必要とするトゥールビヨン(その上部にはスモールセコンドも配置されており、実用性もきわめて高い)を搭載している点だ。その上でジュネーブ・シールとCOSC(スイス公式クロノメーター検定局)のダブル認証まで取得し、その品質と精度が公式に保証されているのは特筆すべき特徴である。

 また、プチソヌリはグランソヌリよりも省エネルギーのように思われるが、実際には15分ごとに打鐘を抑制する機構がチャイミングシステムへのブレーキとして機能し、余計なエネルギーを消費するため、実はグランソヌリよりもその消費量は多くなる。これに対し、本作はムーブメントのエネルギー消費が極限に達した状態でも時計の性能を維持することを保証するため、プチソヌリモードでもCOSCの認証を取得していると言う。

 何よりも精度へのこだわりには目を見張るものがある。一般にこうした繊細なチャイミングウォッチの場合、パーツの摩耗やパワーリザーブの確保のため、振動数を抑える傾向にあるが、本作の振動数は2万8800振動/時と、高度な複雑機構を備えた時計としては特筆すべき、スポーツウォッチ並の振動数を確保している。また高い振動数で精度と安定性を求めると、普通はトレードオフの関係になるパワーリザーブにおいても、70時間という実用レベルの駆動時間が確保されている。このような精度の追求が単に数字だけではないことは、ストップセコンド機能の採用に表れている。スモールセコンド針を停止させ、秒単位まで正確に時刻を合わせられるのは、実用への配慮にほかならない。

 コンプリケーションウォッチでありながら、なぜ、そこまで実用性にこだわるのだろうか? ショパールは資料のなかで、端的にその答えを提示した。

 「ショパール マニュファクチュールでは、時計とそれを身に着ける人の双方にとって意義ある進化を追求しています」

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基本情報

ブランド: ショパール(Chopard)
モデル名: L.U.C グランド ストライク(L.U.C Grand Strike)
型番:161994-1001

直径: 43mm
厚さ: 14.08mm
ケース素材: 18Kエシカルホワイトゴールド
文字盤: スケルトン
インデックス: サファイアクリスタル風防にレールウェイタイプのミニッツトラックのエングレーブ
夜光: なし
防水性能: 非防水
ストラップ/ブレスレット:インターチェンジャブル仕様の手縫いグレーアリゲーターレザーストラップ(グレーアリゲーターライニング付き)&手縫いダークブルーアリゲーターレザーストラップ(ダークブルーアリゲーターレザーライニング付き)、ポリッシュ&サテン仕上げの18KエシカルWG製フォールディングクラスプ(L.U.Cロゴ付き)


ムーブメント情報

キャリバー: L.U.C 08.03-L
機能: 時・分表示、6時位置にスモールセコンド付きトゥールビヨン、グランソヌリ&プチソヌリ、ミニッツリピーター、ストライクワークモードインジケーター、2時位置に時計およびストライクワークのパワーリザーブを同心円上に表示、ストップセコンド機能
直径: 37.2mm
厚さ: 10.14mm
パワーリザーブ: 70時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数:2万8800振動/時(4Hz)
石数: 67
クロノメーター認定: COSC認定クロノメーター、ジュネーブ・シールも取得
追加情報:精度を最適化した構造によるワンミニッツトゥールビヨン、ミラーポリッシュ仕上げを施したスティール製トゥールビヨンブリッジ、モノブロックパレットレバー、調整の容易さと空気抵抗低減を最適化した可変慣性テンプ、合成単結晶酸化アルミニウムによるサファイアモノブロックテクノロジー(ゴングと風防を一体成型)、ストライクワーク作動時のデッドタイム(空打ち)を軽減する安全機構、プッシュピースの誤操作から保護するストライクワーク作動安全機構、スライド式モードセレクターを複数回作動させた際に、時刻表示誤差を防ぐ安全機構、エネルギー効率を最適化するブレーキスイッチ付きストライクワーク香箱、トルク不足時の不完全な打鐘を防ぐエネルギー閾値(いきち)機構付きストライクワーク香箱、衝撃を軽減するアンチショック形状の軽量ストライキングハンマー


価格&発売時期

価格: 1億2863万3000円(予価)
発売時期: 要問い合わせ

詳細は、ショパール公式サイトをクリック。