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Hands-On アーセン、セラミックケースのフィールドウォッチ3種でデビュー。価格はすべて15万円未満

香港発の新鋭ブランドが、アルプスでの冒険に最適な、デザイン性に優れたタフなセラミックケースウォッチを発表した。

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Photos by Andy Hoffman, top photo by Masaharu Wada

時計の価格がじわじわと上昇し続けている今、我々が最も歓迎したいのは、新興ブランドによる優れたバリュープロポジションだ。そこで登場したのが、アジアを拠点とする新鋭ブランド アーセン カンパニー(Earthen Company)。熱心な時計愛好家およびコレクターたちによって設立され、今回そのデビュー作としてサミットコレクション(The Summit Collection)を発表した。このコレクションはパイロットウォッチとフィールドウォッチに着想を得たトリオモデルで構成され、いずれも傷に強いセラミックケースを採用し、山岳アクティビティを想定して設計されている。そして注目の価格は、小売価格899ドル(日本円で約13万3000円)という、かなり手が届きやすい設定である。

earthern watches

 我々は発売前に、このデビューコレクションの3本すべてを手にする機会を得た。いずれもスポーティで堅牢、ミニマルでありながらも視認性が高く、随所に時計愛好家の心をくすぐるディテールが仕込まれている。なかでも最大の特徴はもちろん、ブラックとホワイトのセラミックケースだ。ケース径38mm、厚さ10mmというバランスの取れたサイズ感も魅力的である。共同創業者であり、香港のThe Horology Clubの中心人物として知られるジョナサン・チャン(Johnathan Chan)氏はこのトリオモデルについて、100mの防水性能、視認性、堅牢性を備えた究極のスキーウォッチを目指して開発されたと語っている。

 「セラミックを使うことで、スティール(SS)では実現できない色や仕上げの質感に挑戦できます。しかも私たちが愛してやまないヴィンテージウォッチの比率やディテールに忠実なまま、実現できるのです」とチャン氏は語る。そしてさらにこう付け加える。「アクティブな着用を前提にしているので、防水性能を確保することはきわめて重要でした」

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  3本のうち、最もクラシカルな印象を持つのはブラックセラミックケースとブラックダイヤルを組み合わせた“オーバーキャスト(Overcast)”だ。コンパクトなケースにはサテン仕上げが施され、ベゼルやラグの角にはヴィンテージを思わせるケースフォルムのニュアンスが感じられる。ダイヤルにはコントラストの効いたミニッツトラックとホワイトのアラビア数字、そしてアンダーラインが引かれたブランドロゴが、針の根元の下部には控えめな山のロゴが同色であしらわれている。夜光処理された針とインデックスは、やや暖かみのあるベージュトーンでまとめられている。

 特徴的なのは二重にローレット加工を施したねじ込み式リューズで、確かな操作性を備えている。さらにローレット加工が施された溝に差し色が加えられており、グローブを着用した状態でも操作しやすい工夫がなされている。ストラップには(アーセンが“セージ”と呼ぶ)カーキグリーンのセイルクロスラバーストラップが組み合わされており、高級感のある質感と装着感を実現している。このストラップが、時計全体にミリタリーテイストを加えている点も魅力のひとつだ。ほかのモデルと同様に、同色系のNATOストラップも付属しており、好みに応じたスタイルチェンジが可能である。

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 当初、個人的には“オーバーキャスト”に引かれていたが、最終的に心を奪われたのは“ブルーバード(Blue Bird)”だった(これは、大雪のあとに晴れ渡る理想的なスキー日和にちなんで名付けられている)。全面夜光を充填したダイヤルを備えており、もうそれだけでクールだ。しっかりと蓄光させると強く光り実用性も高いが、日中はグレートーンの数字やインデックスの視認性が下がることもある。ホワイトダイヤルバージョンは、ホワイトセラミックケースに収められており、ブラックモデル以上にこの時計がEarthen(土から生まれたという意、だからこそのブランド名だ)素材で作られていることを視覚的に訴えてくる。

 ホワイトセラミックケースは、ブラックケースのサテン仕上げに比べて、わずかに光沢感のある外観となっている。ブルーバードモデルでは、ローレット加工が施されたリューズに、ベビーブルーの差し色が施されており、セイルクロスストラップと絶妙にマッチしている。そして最後に紹介する“ホワイトアウト(Whiteout)”モデルはブラックダイヤルを採用しており、基本デザインはオーバーキャストに近いが、針やインデックスにベージュトーンはあしらわれていない。ホワイトアウトモデルもブルーバードと同様に、ホワイトセラミックケースに収められ、ホワイトストラップが組み合わされており、リューズにはブラックの差し色が加えられている。本モデルはまさに、白と黒のコントラストが際立つ1本となっている。

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 セラミックケース、大ぶりのSS製リューズ、よく練られたダイヤル、そしてセイルクロスストラップ。これらが相まって本モデルは、1000ドル(日本円で約15万円)未満とは思えない上質な質感をまとっている。裏蓋にはサーキュラーサテン仕上げのSS製クローズドケースバックが採用され、その内部にはミヨタ製の自動巻きムーブメントCal.9039が搭載されている。ローター音はやや大きめだが、この日本製ムーブメントは確かな性能を発揮しており、リューズ操作時の感触もしっかりしていて反応も良好だ。

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 このサミットコレクションは、アーセンチームにとって非常に印象的な初陣だ。彼らは熱心な時計愛好家やコレクターたちで構成されており、より高価格帯の時計からお気に入りの要素を多く取り入れつつ、この手ごろな価格帯に見事に落とし込んでいる。本モデルはスキーやスノーボードに限らず、あらゆるアウトドアアクティビティに対応するタフなタイムピースとして設計されている。とはいえ信じて欲しい。これらは屋内の快適な空間で眺めていても、十分に魅力的なのだ。特にブルーバードは、照明を落としたときにその真価を発揮する。

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 アーセンはまず各モデル100本ずつの生産からスタートしており、ファーストシリーズが完売した場合には再入荷を検討する予定だという。本モデルはすでに注文受付中で、香港からの発送になるとチャン氏は語っている。そのため、アメリカ国内の顧客は関税に注意が必要だ。現時点では関税率は10%に設定されているが、政治的な通商情勢によって常に変動の可能性があることを念頭に置いておくべきである。

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