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Hands-On F.P.ジュルヌによる、ウォッチメイキング史上最大のバゲットカットルビーを使用したトゥールビヨン・スヴラン・ヴァーティカル ジョワイユリ・ルビー

ジュルヌのトゥールビヨンにおけるマキシマリズムと、宝石装飾におけるマキシマリズムが融合。ブランド史上最も突き抜けた1本がここに誕生した。


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Watches & Wonders前の月曜日は、情報がまさに嵐のように降ってくるために、話題が埋もれやすいタイミングだ。とはいえこの月曜日は例外で、実際かなり特別な日となった。この日私はスティール製のパテック フィリップ Ref.1518を初めて手に取り、ヴァシュロン・コンスタンタンのソラリア(世界で最も複雑な腕時計だ)を着用し、さらにクロノメーター・フルティフを含むF.P.ジュルヌの新作を取材した。そしてジュルヌのアポイントの終盤、プレス担当者があることを私に教えてくれた。ごく限られた人にしか見せていない、非常にユニークで貴重な時計があると。その時計は、手首に着けることすら許されなかった。

 そしてその数時間後、ロレックスがランドドゥエラーを発表し、業界は大騒ぎとなった。怒涛の新作ラッシュが押し寄せた結果、その時計を取り上げる時間はまったくなくなってしまった。だが、ようやくその時が来た。なぜいま取り上げるか? 理由はただひとつ、その時計が存在しているからだ。しかも圧倒的なまでに非凡で、驚くほど独創的なかたちで。ときにはそれだけで十分なのだ。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis

 F.P.ジュルヌ トゥールビヨン・スヴラン ジョワイユリ・ルビー(Ref.TVJ)は実際に目にしてきたなかでも群を抜いて衝撃的な1本と言えそうで、その余韻はいまだに消えない。宝石をセッティングした時計はその派手さゆえに、しばしばそこに込められたクラフツマンシップが正当に評価されないことがある。しかしジュルヌが今回成し遂げた偉業はそうした次元をはるかに超えている。

 ダイヤモンドの、とりわけダイヤルのインデックスへの使用にはある種のエレガンスがある。とはいえ私は、多くの人がこの趣向(実は豊かな歴史的背景がある)は完全に話題性だけに根ざしたもので、興味を持つことすらためらわれると考えているということも十分に承知している。同じようにルビーの使用にも、歴史的な前例がある。とりわけパテック フィリップが誇るアーカイブのなかにはっきりと確認でき、私自身、レジェップ・レジェピが10本のクロノメーター・コンテンポラン IIにルビーを使用した際、レビュー記事のなかでその点に触れたことがある。

  ケースに宝石を用いるとなると、また別の、しかもさらに厄介な議論が持ち上がる。それについて黙っているのも難しいし、正面から論じるのはもっと難しい。パテック フィリップ Ref.5971はジョン・メイヤー(John Mayer)氏をはじめとする、私を含めた多くの人々にとって永遠のフェイバリットであり、ダイヤモンドを大胆に配したベゼルにパテック フィリップ最後のレマニア製キャリバーを搭載したこのモデルは、少なくとも敬意を払うに値する存在だ。しかしブランド各社がこぞって宝石をあしらったケースやベゼルを打ち出すようになった背景には、やはり“レインボー”や“バービー”などの愛称を持つカタログ外のデイトナ(私のお気に入りであるルベライト仕様のRef.116589SALVも)の人気上昇が大きく影響しているのは間違いない。

 パテック フィリップでさえ、思い切った一手を打っている。たとえば、アクアノート・ルーチェ《レインボー》ミニット・リピーター・ハイジュエリー Ref.5260/1455R-001では、779個のバゲットカット・マルチカラーサファイア(計45.05カラット)と130個のバゲットカット・ダイヤモンド(計8.66カラット)をあしらっている。昨年、この時計はパテック フィリップのレギュラーモデルとしては2番目に高価で、その価格は300万ドル(当時のレートで4億5400万円)。私はここでジェムセッティングの価値についてこれ以上論じるつもりはない(少なくともこの記事においては)。しかし私が信頼を寄せるコレクターたち(現行モデルからヴィンテージウォッチまでを愛する人々だ)と時間を共にするなかで、宝石をあしらった時計の希少性とその技巧について新たな視点を得ることができたのだ。その奥深さに強く引かれているのは確かであり、いずれ改めてそのクラフツマンシップを掘り下げてみる価値はあるだろうと感じている。

The Rolex Daytona ref. 126599TRU in white gold with ruby bezel, indices, and diamond-set lugs. Photo by Mark Kauzlarich.

ホワイトゴールド製のロレックス デイトナ Ref.126599TRUは、ピジョンブラッドルビーのベゼルとインデックス、そしてダイヤモンドがあしらわれたラグを備えている。Photo by Mark Kauzlarich

5271P

アップデートされたパテック フィリップ Ref.5271/12P ジョワイユリ。Photo courtesy of Patek Philippe

Ruby Speedmaster

ルビーのベゼルとインデックスを備えた、オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナルのカノープスゴールド仕様。Photo courtesy Hairspring

The Patek Philippe ref. 5723/112R-001

シンガポールで出合ったパテック フィリップ Ref.5723/112R-001。Photo by Mark Kauzlarich

Royal Oak rubies

41mmサイズのオーデマ ピゲ ロイヤル オーク “レインボー”全セットを所有するコレクター、ダヴィデ・ロヴェッリ(Davide Rovelli)氏。この日はそのなかからルビー仕様の1本を着用していた。Photo courtesy Davide Rovelli

 今年ロレックスが、オブシディアンダイヤルを備えサファイアがあしらったデイトナをひっそりと発表したとはいえ、(上に紹介した)コレクターたちの手首から判断するに、現在もなおルビーが“la gemme du jour(本日の逸品)”で、いまを象徴する宝石であることに変わりはなさそうだ。そう考えると、F.P.ジュルヌのTVJR(ここではそう呼ぶことにしよう)はまさにマキシマリズムの具現化といえる。時計全体にはおよそ計25カラットにおよぶ93石のルビーが使用されており、ブランドによればこれは時計業界で用いられたバゲットカットのルビーとして史上最大のサイズだという。ケース用に再カット可能な色味の揃った大粒のオーバルストーンを集めるのになんと8年(8年だ!)を要したという。そうした背景を考えれば、このモデルがいまのところ世界に1本しか存在しないのも当然のことといえるだろう。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis

 参考までに言えば、最近発表されたヴァシュロン・コンスタンタン メティエ・ダール - 12星座へ想いを馳せてにはホワイトゴールド製のケースに合計約3.87カラットとなる96個のバゲットカット・ブルーサファイアが使用されたおり、パテック フィリップ Ref.5271/12Pには合計4.11カラットとなる58個のバゲットカット・ルビーがあしらわれている。つまりF.P.ジュルヌ Ref.TVJのルビー仕様モデルに使用されているバゲットはパテックのものより平均で4.14倍以上、ヴァシュロンのものより7.25倍以上も大きいということになる。

Platinum cases

先日、F.P.ジュルヌの工房見学で目にしたトゥールビヨン・スヴラン用の削り出しのプラチナケースには、合計22.5カラットとなる93個のバゲットカット・ダイヤモンドがセッティングされていた。

 最もわかりやすい比較対象は、F.P.ジュルヌ氏自身が手がけた初代Ref.TVJのダイヤモンド仕様であろう。一体いくつのダイヤモンドがあしらわれたのか。プラチナケースに、ホワイトダイヤモンドが合計わずか(わずかと、ジュルヌ氏は沈んだ声で言う)22.5カラットとなる93個があしらわれたのだ。私は約2年前、実際にこのモデルをドバイで目にしたことがあるが、そのときは記事として取り上げる“フック”を見つけられなかった。そしていまようやくその役目を果たす、Ref.TVJのルビー仕様モデルを見つけた。ルビー仕様と同様、このダイヤモンド仕様モデルも着用は許可されなかったためサイズ感を正確に伝えるのは難しい。しかしすでにジュルヌとしては大型だったRef.TVの直径42mm×厚さ13.6mmケースと比べて、Ref.TVJでは直径44mm×厚さ13.76mmへと拡大されている。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Diamant

 今回の企画は一応“Hands-On”であり、F.P.ジュルヌのほかの時計であればムーブメントが話題の主役となるはずだ。だから、Ref.TVJのムーブメントについても触れていこう。Cal.1519は、調速機構を知り尽くしたジュルヌ氏が設計したこれまでのトゥールビヨンのなかでも、おそらく最も異色な存在である。これは80時間のパワーリザーブを通じて脱進機に一定レベルの動力を供給し続けるコンスタントフォース機構、その名もルモントワール・デガリテにより、ごく自然なステップ運針を叶えている。とはいえトゥールビヨンを搭載した時計について語りはじめると、いつも議論は次のようなやりとりに収束していく。すなわち「トゥールビヨンはもともと(少なくとも一部の目的として)静止した物体(ここでは懐中時計)に対する重力の影響を平均化するために設計されたものであり、現代では時代錯誤的な機構だ」という主張だ。腕時計は静止しているわけではないので「ゆえにトゥールビヨンは不要なのでは?」と続く。そしてそこにはすかさずこう返される。そもそも機械式時計自体が不要じゃないか、と。おめでとう。あなたはいま、このやりとりの10万回目を再演したことになる。

 Cal.1519についてはこれまでも詳細に取り上げてきたが、ここで重要なのはトゥールビヨンケージが地板に対して垂直に配置されているということだ。この設計により、腕時計がデスクでの作業中やナイトスタンドの上、時計ボックス内などで通常置かれる向きに対し、重力の影響がより適切に分散されるようになるというわけだ。とはいえここでより注目すべきなのは、この縦方向に傾けられたトゥールビヨンによって時計全体が明らかに大きく厚くなっているという点である(従来のトゥールビヨン・ヌーヴォー Ref.TNの9.9mmに対し、本作の厚さは13.76mmだ)。その見返りとして得られるのが11mg/cm²という高い慣性モーメント(多くのジュルヌ製ムーブメントでは10.1 mg/cm²)であり、これは精度の向上につながる。ただし、自身の時計をより正確にする唯一の方法はトゥールビヨン機構を取り外すことだとジュルヌ氏が一貫して語ってきた(たとえばクロノメーター・オプティマムのように)ことは触れておかねばならないだろう。とはいえ多くの人がトゥールビヨンを求めるのは、精度のためではなく、トゥールビヨンという存在そのものの魅力にあるのだ。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis
F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis
F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis

ムーブメント背面の右側に見えるのがルモントワール・デガリテ。

 新作であるTVJRのデザインに関して、F.P.ジュルヌのラインナップのなかにはすでに多くの前例が存在している。Ref.TVが発表された際、ブランドは新たなデザイン言語を提示した。主な“ダイヤル”部分(構造的にはダイヤルの大部分を占めるレッドゴールド製の地板である)にはクル・ド・パリ装飾のギヨシェを、時刻表示とステップ秒針を乗せたインダイヤルにはホワイトエナメルを施すという構成である。もっとも、ジュルヌが地板にギヨシェ装飾を用いたのはこれが初めてではない。その極致といえるのが、F.P.ジュルヌ トゥールビヨン・スヴラン・リージェンシーである。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis

 今回、ローズゴールド製の地板、いわば“ダイヤル”部分には、まずエングレービングが施され、その上からブラックで仕上げが加えられている。ブラックダイヤルのF.P.ジュルヌはもともと生産数の限られた同ブランドにおいて、さらに希少で垂涎の的となっている。なかでも“ブラックレーベル”コレクションは、各リファレンスにつき1ブティックあたり年間2本までの販売に限定されており、これはブランドが熱心な顧客に対して深い敬意を示している証でもある。ジュルヌのブティック限定モデルは、たいていブラックダイヤルにローズゴールドのアクセントを組み合わせた仕様となっている。

 本作のインダイヤルにはブランドが“ルビーハート”と呼ぶ素材で、一般的にはルベライトとして知られるものが使用されており、手作業でペイントが施されている。ルベライトはトルマリンの一種で、トルマリンとは珪酸塩鉱物の結晶グループに属する天然石である。この石を目にする機会として真っ先に思い浮かぶのは、ヴィンテージやネオヴィンテージのロレックスに使われた例だ。なおジュルヌはこれと逆のアプローチも過去に試みており、トゥールビヨン・スヴラン クール・ド・ルビーでは地板全体をルベライトで覆ったデザインが採用されていた。

TOURBILLON SOUVERAIN CŒUR DE RUBIS - Ref. TN

トゥールビヨン・スヴラン クール・ド・ルビー Ref.TNは、ルベライト製ダイヤルを備えたモデル。

A Black Label F.P.Journe Chronomètre á Résonance.

シンガポールのアワーグラスによるIAMWATCHにて展示された、レジェップ・レジェピのクロノメーター・コンテンポランとF.P.ジュルヌのクロノメーター・レゾナンス ブラックレーベル 。Photo by Mark Kauzlarich

IAMWATCHに出展された、20本限定のF.P.ジュルヌ トゥールビヨン・スヴラン 東京エディション アニバーサリー Ref.TTのうちの1本。Photo by Mark Kauzlarich

 もちろん腕時計にこれまでで最大級のルビーを使用すれば、ほかのディテールはすべて二の次に見えてしまう。だがこのカテゴリーにおける仕上がりの質を左右する要素はいくつか存在する(あるいはパテックやオーデマ ピゲといったブランドがいくつかのモデルにおいて、スイスのサラニトロ社に宝石の調達やセッティングを委託した事例もある)。それらが、ニューヨーク47丁目界隈にありがちな“バストダウン(ダイヤを多く施した高価なアイテム)”系カスタマイズとは明確な線引きをしているのだ。第一の違いは、石の品質、色、そしてサイズだ。すでに述べたように、高品質かつ色の揃った素材を十分に確保し、そこから大ぶりのバゲットカット・ルビーを25カラット分確保するのにブランドは実に8年を要した。 

 優れたムーブメントの仕上げと同様にジェムセッティングも、外観の美しさと精緻な仕上がりのバランスが取れていてこそ、その宝石の品質の高さが際立つのだ。ルビーの場合は性質上、仕上げの観点ではやや扱いが難しい。というのも色が濃くなるほど光を通しにくくなる(それに伴って輝きが抑えられてしまう)ためだ。ジュルヌはルビーをチャネルセッティングで留めているが、ベゼルはそれよりわずかに高く設定されており、44mmの大型ケースに向かって長く緩やかなカーブを描くことで石に光が入りやすくなり、その屈折によってわずかに輝きを生み出している。パヴェセッティングのように繊細で輝きに満ちた方法ではないが、大粒の石を用いたベゼルにはもっとも実用的な方法である。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis

 先に挙げた93個のルビーには、プラチナ製フォールディングクラスプにあしらわれた追加の18個のルビーは含まれていない。なおルビーのトレーサビリティについてはResponsible Jewelry Council(RJC:責任あるジュエリー協議会)によって保証されている。

 標準仕様であるRef.TV(宝石なし)はジュルヌのコレクターのあいだでも評価が分かれるモデルだ。通常のRef.TVは直径42mm、厚さ13.6mmというサイズだが、一部のユーザーにとっては装着が難しいとされてきた。今回の“アップグレード”版であるRef.TVJは直径が2mm大きく、厚さが0.16mm増しており、プラチナケースとルビーの重みも加わって、素材や宝石以上にそのサイズ感だけでも強烈な存在感を放つステートメントピースとなっている。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Joillaire Rubis

 十分な量の写真がないため(TVJRの写真はすべて4分以内に撮影されたものだ)代わりにダイヤモンド仕様のTVJの写真を参考に掲載することにした。このモデルではダイヤモンドが特に透明度が高く、ケースバンドのチャネルを通して多くの光を取り込んでいる様子がわかる。ルビーとは異なり(こちらには色や透明度に関する情報がなかった)、オリジナルのTVJに使用されたダイヤモンドはVVSおよびF/Gグレードに分類されており、これは“very very slightly”つまりごくごくわずかに(内包物が)含まれていることを意味し(クラリティの最高位にごく近い)、色に関しても無色またはほぼ無色(ダイヤモンドグレーディングはアルファベット順にDから始まる)であることを示している。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Diamant
F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Diamant
F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Diamant

 上記では今回紹介しているジュルヌのルビー仕様のモデルと、現在市場に出回っているルビーをあしらったほかの時計のカラット数とを比較した。ロレックスのデイトナはカタログ外のリリースで限定20本と噂されており、当時の希望小売価格は49万ドル(当時のレートで約6600万円)とされている。現在そのうちの1本が市場に出ており、希望販売価格は110万ドル(日本円で約1億6250万円)だ。2022年に発表されたパテック フィリップのレッドダイヤルを備えたRef.5271/12Pは当初の価格が34万8930ドル(当時のレートで4570万円)で、現在は二次流通で約52万5000ドル(日本円で約7760万円)前後で取引されている。最近のヴァシュロンのモデルはサファイアを使用し、装飾もベゼルとラグに限定されているものの、小売価格は約28万ドル(日本円で約4140万円)だ。そして最後に、F.P.ジュルヌのトゥールビヨン・スヴラン ジョワイユリ・ダイヤモンド Ref.TVJは応募による販売のみで、価格は77万6500ドル(日本円で約1億1480万円)だ。

F.P. Journe Tourbillon Souverain Vertical Rubis

 F.P.ジュルヌは、新作であるトゥールビヨン・スヴラン ジョワイユリ・ルビーの価格を公表していない。もっともこのレベルの時計では“価格は要問い合わせ”となるのが通例であり、驚くことではない。とはいえ好奇心から、実際に価格の提示を受け得る立場にあるコレクター数名に尋ねてみた。誰も正確な価格を知らされてはいなかったが、彼らから聞いた数字はすべて200万ドル(日本円で約2億9500万円)を超えていた。またこの時計がすでに販売されたのかどうかも定かではない。同じ情報源によれば、提示価格がいくらであろうとこの時計、あるいは次作を待っている購入希望者が複数いるという話であった。とはいえここまでの話が示すように、同じ仕様の時計を再び製作するためにまた8年近くかけてジェムストーンを調達することになるかもしれない。

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