まだそんなに時は経ってはいないが、私は読者のひとりとしてHODINKEEの記事を偶然見つけ、“ニューヨークで開催されたヴィンテージロレックスの密会”についての素晴らしいフォトレポートに圧倒されたことを覚えている。それは初回の“ローリーフェス”であり、私にはほとんど理解不能な出来事だった。こんなにもクレイジーなロレックスのコレクションがすべて同じ場所に、しかも私の住む街に集まっているなんて? 信じられず、招待されることなど想像もできなかったが、外から垣間見ることができただけでもうれしかった。
2019年に開催された密会での、ティファニーのサイン入りロレックス エクスプローラー Ref.1016。
9月30日で、私がHODINKEEで働き始めて3年あまりが経った。そしてこのあいだ、幸運にも2回目のローリーフェスに参加することができた。(サザビーズのグローバル時計部門責任者を務める)ジェフ・ヘス(Geoff Hess)氏が主催するこの招待制の特別なイベントは、これまで以上に盛況を続けている。しかしその名前とは裏腹に、何もかもがロレックスというわけではない。実際、2回目のイベントでは、1時間経ってもロレックスの写真を1枚も撮っていないことに気が付いた。
膨大な数のF.P.ジュルヌ、2本のロジャー・スミス、いくつかのとてつもないパテック フィリップ、たくさんのロンジン、そして(もちろん)ユニバーサル・ジュネーブまで、ありとあらゆる時計が(文字どおり)テーブルの上に並んでいた。過去1年でコレクターの好みや感情、“今熱いもの”は変化したが、情熱と友情は変わらない。そしてそれこそが、(自らをブランドに縛られないと明確に位置づける)ローリーフェスの本質的な部分なのだ。
ローリーフェス 2023でのガラディナー。
2023年のレインボー・ルームにて。
2年に1度開催されるこのイベントで、ヘス氏は毎回、前回の功績を上回ることに挑戦し続けている。2023年はアメリカ自然史博物館でのガラディナー、ロックフェラー・センターのレインボー・ルームでのブランチと“show&tell(実機を披露しながら説明する会)”、そしてマンハッタンモーターカーズ・ポルシェでのカクテルイベントが開催された。これをどうやって超えるというのか? その答えがこれだ。
“時計界のメットガラ”でのもうひとつの伝説的な夜。
2日間にわたり、ローリーフェスはメトロポリタン美術館のデンドゥール神殿を囲んでのディナー、ワン・ワールド展望台の102階でのブランチと集い、そして最近再開されたウォルドーフ・アストリア・レジデンスのウィンターガーデンでのフェアウェル カクテルを催した。しかしそれ以上に重要なのは、このイベントがさまざまなバックグラウンドを持つコレクターをますます引きつけながらも、友人や長年の知人同士の結束の固いコミュニティであり続けていることだ。
これは、イベントにあったすべての素晴らしい時計を網羅した記録ではない。たとえば、私はデイトナ Ref.6270を見る機会がなかった(オーナーが撮影を望まなかった素晴らしい時計も多数あった)。しかし、このイベントがいかに信じられないほど素晴らしいものであったか、その一端を垣間見ることができるはずだ。プライバシー(およびセキュリティ)のため、私は記事内で多くの名前を挙げることはしない。もし写真のなかにあなた自身やあなたの時計を見つけたら、気軽にコメントを残してほしい。よければ、キャプションを更新する。
ロイ・ダビドフ(Roy Davidoff)氏、カトリーナ・ヴラカス(Katrina Vrakas)氏、そしてモーガン・キング(Morgan King)氏。
バールウッドのロレックス デイデイトを着けたHODINKEE COOのエネリ・アコスタ(Eneuri Acosta)。
パテック フィリップ Ref.3800を着けた、WatchMissGMTとして知られるエリカ。
毎年、このグループは拡大している。だからもしあなたが私のように、いつか参加するかもしれない世界を想像しているなら希望を捨てる必要はない。しかしそれまでのあいだは、今年の写真を見ながら発見し、学び、楽しむことで同じ興奮と魅力を感じて欲しい。
1日目: 時計界のメットガラ
週末のすべてのプログラムは厳重に守られており、セキュリティの理由から、全員がその場を離れるまで写真を共有しないよう求められていた。だが、最初の開催場所は本当に圧巻だった。メトロポリタン美術館であったのだ。
ロイ・ダビドフ氏はロリーフェスの“ロリー”の名にふさわしく、この夜に2本のデイトナを持参した。そのうちの1本は、ハンジャールの刻印が入ったケースバックを備えている(この後で紹介する)。
使い込まれたミルガウス Ref.6541。
ピンクのパテック フィリップ Ref.1415HUに、同年製のパテック フィリップのサインが入ったピンクブレスレットを合わせたアダム・ヴィクター(Adam Victor)氏。
館内に入ると、メトロポリタン美術館のメインエントランスでカクテルアワーが出迎えてくれた。
名高いロリーフェスのホストであるジェフ・ヘス氏の隣には、見覚えのある顔が。今回が初参加となる我らがベン・クライマーの姿があった。
袖のなかにリシャール・ミル RM 67-02を忍ばせているなんて、誰も思ってもみないだろう。
サザビーズのリッチ・ロペス(Rich Lopez)氏。ロレックス Ref.6085 “ドラゴン” クロワゾネ(七宝焼)ダイヤルを着用。
アレックス・ルービン(Alex Lubin)氏の手首には、きわめて美しいポール・ニューマン デイトナ Ref.6262と、イエローゴールド(YG)のル・マン。
クリスチャン・バンガート(Christian Bangert)氏、スティーブン・コーエン(Steven Cohen)氏、テイラー・ヴォッシュ(Taylor Woś)氏、フレッド・サベージ(Fred Savage)氏、そしてドリュー・コブリッツ(Drew Coblitz)氏がセルフィーを撮影中。
ロレックス ポール・ニューマン デイトナ Ref.6241。
@tinywristcheckのコートニー・バカラック(Courtney Bachrach)氏とテイラー・ヴォッシュ氏による、美しいカクテルウォッチの数々。
やがて我々は、美術館の北ウイングを進んで行った。
メットを訪れたことのある人なら最終目的地はすぐに察しがついただろうが、それでも胸が高鳴る場所だった。
デンデュール神殿は、紀元前1世紀にローマ皇帝アウグストゥスによって、女神イシスと現地の神格化された兄弟たちを祀るために建立されたものだ。
ゲイリー・シュタインガート(Gary Shteyngart)氏も感銘を受けた様子だった。
ディナーでは“オウル(OWC/Old Watch Lady)”の腕時計6本を重ね着けするアイコニックな姿も。
レジェップ・レジェピ クロノメーター コンテンポラン II、サイモン・ブレット クロノメーター アルティザン、そしてヴァシュロン・コンスタンタンのパーペチュアルカレンダー。
自分たちの会合の名をメットの壁に掲げられることなど、そうそうあるものではない。
グレッグ・ウィルツ(Greg Wirtz)氏とアダム・マレリ(Adam Marelli)氏。どちらも私の親しい友人であり、熱心なF.P.ジュルヌ愛好家だが、この密会にジュルヌを着けていたのは彼らだけではなかった。
恒例として、ジェフ・ヘス氏が集まった仲間たちに向けてコミュニティと友情の力について語った。
その様子をモーガン・キング氏が撮影していた。
モーガン・キング氏はあまりにも多くのカードマジックを披露したため、ついにはカードを使い切ってしまった。
もちろんディナーの締めくくりにはスイーツとコーヒーが欠かせない。ということで、たっぷりのモカはいかがだろうか?
ダイムピースの創設者であるブリン・ウォルナー(Brynn Wallner)氏は、メットの階段でおなじみのポージングを再現。
モメンタム・ドバイ(Momentum Dubai)のターリク・マリク(Tariq Malik)氏と、ダビドフブラザーズ(Davidoff Brothers)の片割れロイ・ダビドフ氏がおやすみの挨拶を交わすためにポーズで記念撮影をしていた。
2日目: 雲のなかでのランチ
翌日、我々はフルトンストリート285に集まるよう案内を受けた。ランチと時計を楽しむ、雲の上での午後のひととき。場所はどこかって?
その場所はそう、ワン・ワールド展望台の102階。まさにあの高みの上だ。
入場にはこれが必要だった。そう、ロレックスではなく、カトリーナ・ヴラカス氏が出席者のためにつくったネックレスだ。
セキュリティは厳重で、我々はまるで潜入任務を行うかのように入場した。そしてその日は海が怒っていた。まるでデリでスープを返品しようとするお年寄りの友人のように。
やがて階を上がり、ワン・ワールド展望台から広がる102階からの圧巻の眺望を目にすることができた。
そしてすぐにInstagramでつながった友人に呼び止められ、まず見せてもらったのは何本かのロンジン。
そしてこの2本の美しさ。
さらになんとも興味深い、ピンク・オン・ピンクのレクタンギュラーケースを備えたロンジン。
少しその場を離れて眺望を楽しもう。
パテック フィリップ Ref.3619を身に着けたミスター・エンスージアスト、そしてフィル・トレダノ(Phil Toledano)氏として知られるキング・ギーザーの姿が。
一方、ウォッチトック(WatchTok)の王であるマイク・ヌーヴォー(Mike Nouveau)氏が、仕事道具を手にしている。
それには、カルティエサイン入りのパテック フィリップ エリプスも含まれる。
マーク・ローリンズ(Mark Rawlins)氏は私のお気に入りのひとつ、プラチナ製のオーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー “タスカン”ダイヤルRef.25820PTを着けていた。
マザー・オブ・パールのダイヤルを備えたランゲ1。
よくあるオメガ シーマスターとは一線を画すミリタリー仕様の1本。
機材とロンジンを置いた場所へ戻るころには、すでに人の輪がぐっと広がっていた。
自らの時計を愛でるフィル・トレダノ氏。
ジャン=クロード・キリーのロレックス。
この2本を揃えたコレクションはどうだろうか? まずは、初代パテック フィリップ Ref.3940から。
そして、アバクロンビー&フィッチ シーファーラー by ホイヤーだ。
さらに今回のロリーフェスで最も意外な登場となったのが、アラン・シルベスタインのクロノ メディオ サファイアだ。
ほの時計を間近で見ようとしていた参加者の手首には、パテック フィリップ Ref.3970が。
“オールド ウォッチ レディ”も再登場。今回はジャガー・ルクルトとマイダスの、控えめながら上品な組み合わせだ。
小振りでナイスなカルティエ ベニュワール。
やがて、時計を見せ合いたいという熱気が空間のキャパシティを超え始め、
ジェフ・ヘス氏がメインルームに移動することを提案。そこには時計を並べるための大きなテーブルが用意されていた。
トロピカルダイヤルやサーモンダイヤルのロイヤル オーク。これ以上の光景はそうそうない。
ジェームズ・ラムディン(James Lamdin)氏はモバード デイトロンを着用。
そしてアンドレア・パルメジャーニ(Andrea Parmegiani)氏が身に着けていたのは、疑いようもなく圧巻のロレックス シャンゼリゼ Ref.8651で、これはクロワゾネ七宝 “キメラ” ダイヤルを備えている。このダイヤルを手がけたのは、ジュネーブのスターン・フレール(Fabrique de Cadrans Stern Frères)社に在籍した伝説的な職人のマルグリット・コッホ(Marguerite Koch)だ。
このエナメルワークをただ見て欲しい。
小さなダイヤルの下に日付窓を備えた、興味深いユニバーサル・ジュネーブ。ディスコ・ヴォランテでもジャンピングアワーでもない、まったく別種の個性を放つ。
ユニバーサル・ジュネーブ A.カイレリ・スプリットセコンド・クロノグラフ。
誠実に使い込まれたユニバーサル・ジュネーブ ティール トリコンパックスを、オリジナルオーナーの息子がその手首に受け継いでいた。
@aircooltimeはロレックス GMTマスターとパテック フィリップ Ref.1526というダブルリスト。
彼はさらに、ミラノの小売店エベラール(Eberhard)署名入りのパテック Ref.514も所有していた
いつでもケースバックは必ず読むのだ。
テーブルはあっという間に時計で埋まり、周囲の好奇心が渦を巻き、もはや近づいて見るのも難しいほどだった。
そこで私は少し離れたあたりを回っていたのだが、見つけたのは友人の手首に輝くMB&F レガシー・マシン No.1。ここでしばらくモダンウォッチを見て回ることにした。
@alangejourney氏の手首には、A.ランゲ&ゾーネ 1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー。
Wristcheck創業者のオースティン・チュウ(Austen Chu)氏は、彼のシグネチャーともいえるユニークなネオヴィンテージ仕様のオーデマ ピゲ グランドソヌリを着用。
ブレスレットを備えた、プラチナ製のF.P.ジュルヌ トゥールビヨン・スヴラン ルテニウム。
ジェフ・ヘス氏の手首には、A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1 ドバイ Ref.110.049。
前世代のメテオライトダイヤルを備えた、ホワイトゴールド(WG)製ロレックス デイトナ。
パートタイムの時計&車の愛好家であり、フルタイムのカスタム系コメディアンでもあるドリュー・コブリッツ(Drew Coblitz)氏の、セラミックベゼルが搭載されたロレックス “カーミット”。
この時計を買った理由は、カーミットのふざけた落書きを裏蓋に彫るためだと教えてくれた。
その刻印には“Pop it(ノる)”と“Lock it(キメる)”が。
ケースバックの刻印といえば、こちらはロイ・ダビドフ氏の時計に刻まれたハンジャール(オマーン国章)。
このイベントに参加していたレジェンドのうちのひとり、サザビーズ国際時計部門の名誉会長、ダリン・シュニッパー(Daryn Schnipper)氏。
ヒュー・モー・ジュニア(Hugh Mo Jr.)は、スナップバックを備えたパテック フィリップ Ref.3971を着用。
ホイヤー オータヴィア “ウィングス・アンド・ホイールズ” インディアナポリス・モーター・スピードウェイ ダイヤル。
今年はポール・ニューマンがやや少なめだったものの、それでも何本も姿を見せた。
アダム・ヴィクター氏はL.ルロワのクロノグラフという見事な1本を着用。
ロレックス サブマリーナー Ref.5517と“エクスプローラーダイヤル”のRef.5513という、なんともクールなペアも。
やがてジェフ・ヘス氏がランチのために座るよう呼びかけたが、時計観察から人々を引き離すのは至難の業だったろう。
再び登場したWatchMissGMTのエリカの手首には、おなじみのパテック フィリップ Ref.3800が。
アンドリュー・シアー(Andrew Shear)氏が持ち込んでいたのは、まさに息をのむほど見事な、ステンレススティール製の極初期パテック フィリップ Ref.96。ロングサインのロゴに、ブラックの弾丸型インデックスと針を備えた1本で、もしこのイベントから何本か持ち帰れるとしたら、間違いなくその上位に入る時計だった。
キリル(@LunarOyster)は、レゾナンスのダブルリストだ。クロノメーター・レゾナンス ブティックエディション(左)、ブラック マザー・オブ・パールのダイヤルを備えた限定10本のうちの1本(右)。
このブラック マザー・オブ・パールのダイヤルは、強い光に当たったときだけ表情を現す。
さらに会場の雰囲気を引き立てるように、カリ・ヴティライネンの1本も姿を見せた。
ジェイソン・ゴン(Jason Gong)氏はドゥ・ベトゥーンを着用。
私もまだ、クールな時計を探す機会を捉えていた。
ブリン・ウォルナー(Brynn Wallner)氏は“お父さんのデイトジャスト”を。
やはりYG製の4桁デイトナにはまず外れがない。
いや、どんなデイトナでもそうだ。
きわめてトロピカルに焼けたロレックス エクスプローラー Ref.1016。
各テーブルにはキーとキーチェーンがひとつずつ置かれており、部屋の隅にはチューダー ブラックベイ 54が鍵付きのボックスに収められていた。裏蓋には刻印入り。ちなみに私の鍵は試すまでもなかった(トヨタ用だったので)。
幸運の持ち主となったのは、ブラン&サンズ(Bulang and Sons)のベルンハルト・ブラン(Bernhard Bulang)氏だった。
その彼は、このスクエアのユニバーサルを手首に着けていた。
以前にもこのペアについて記事を書いたことがある。今回はグレッグ・セルチ(Greg Selch)氏が所有している個体だ。
サウジアラビア向けのクロワゾネダイヤルが使われたもうひとつのユニバーサル。
友人のグレッグ・ウィルツ(Greg Wirtz)氏と、私がこれまでで最も好きなクロノメーター・レゾナンス、ローズゴールドにサーモンダイヤルを組み合わせた最新バージョンだ。私の言葉が信じられないなら、彼に聞いて欲しい。というわけで、いくつかのサーモンダイヤルを見ていこう。
超レアなパテック フィリップ Ref.5101P 10デイズ トゥールビヨン。
これは私が1番好きなカラトラバのひとつ、Ref.3796SGだ。SGは(その小さなサイズを愛した)日本の顧客がムーブメントを見たいと望んだため、シースルーバックが採用されたという経緯がある。それも歴史の一部だ。
よし、さらにタイムオンリー仕様のパテックをいくつかご紹介しよう。
サーモンダイヤルにブレゲ数字を備えたパテック フィリップ Ref.565。
さて、まったく趣の異なるものとして、ランドローバーのロゴが入ったダイヤルを備えたハミルトン カーキ フィールドだ。
ホイヤーのブンデスヴェーア 3H クロノグラフ。
“ミリタリー”サブマリーナーが3本、そしてNATOストラップが1本あるとき、どうするか? 答えは、3つのタイムゾーンを追跡するロレックス ミルサブ ワールドタイムなるものをつくり出すことだ。
つまり、どうしてももう1本NATOストラップが必要というなら…
ミリタリー仕様のポルシェデザイン クロノグラフ1sという素晴らしいコレクション。
アラブ首長国連邦空軍(UAE Air Force)向けのモデルで、UAEのマーク入り。
そしてアメリカ空軍(U.S. Air Force)向けモデル。
ウィットナーの署名が入ったロンジンのパイロットウォッチ。
ターリク・マリク氏は今回のイベントで最も信じられない歴史的ピースを、考えうる限り最も完全なフルセットで展示していた。その中心となっていたのは、カスタムブレスレットを含む多くの付属品が付いたロレックス Ref.3548だ。
箱も付属していた。
そして、元の空軍将校が使用していた軍事用のIDブレスレットなども付属。
だがそれだけでなく、軍の記録、ピン、もし敵陣で捕まった場合のパイロット用の紙幣、整備記録、情報、そしてオリジナルオーナーについての新聞記事まで付属していたのだ。
このコレクションにピンとくる人はいるだろうか? 右下にあるデイデイトは、A氏がこっそり持ち込んだものだから無視して欲しい。
HODINKEEサイン入りのチューダー ブラックベイ 58。
ティファニーサイン入りのパテック Ref.5170P。
ロジャー・スミス シリーズ1が2本。
これは今回、私が見たお気に入りの時計のうち2本を含む、もうひとつのきわめてバランスのとれたコレクションだ。
IWC ポルトギーゼ Ref.325はSS製で42mmの特大サイズのケースに、ブラックダイヤル、ブレゲ数字を備えている。オーナーから聞いた話では、これは2016年にフィリップスで落札された時計だという。この時計は私の腕に完璧にフィットした。
トロピカルダイヤルのオーデマ ピゲ Ref.5402 “Cシリーズ”。
そしてとどめを刺したのは、この最も素晴らしいパティーナとケースの酸化が見られるツートンダイヤルのヴァシュロン・コンスタンタン Ref.4178だ。
これを見て欲しい。オイルの染みのように見えるこれも、私のトップ5リストに入るだろう。
中央にミニッツカウンターを配した個人的なお気に入りであるロンジン ソマトーレ チェントラーレを含む、2本の傑出したクロノグラフ。
私の私物を含む、ユニバーサル・ジュネーブ ユニコンパックスのクロノグラフ2本(右が私物)。
Craft + Tailoredのタイラー・ヴァネス(Tyler Vanes)氏と、彼が長年探し求めていたワイラーのクロノグラフ。
ブレゲ数字を備えたYGのモバード M90を身につけたOliver and Clarkeのレイモンド・ミルナリク(Raymond Milnarik)氏。
ああ、やはりジャン=クロード・キリーはよい。
ロレックス サブマリーナー “スモールクラウン”。
現行のチタン製ロレックス ヨットマスター。
超レアなルビーがあしらわれたパテック Ref.5271P。
そう、まさかと思うだろうが、パテック キュビタスも姿を見せた。
そしてノーチラス。もちろんだ。
金曜日にライダーカップを見るのは大変だったが、日曜日に希望を持つことはもっと難しかったかもしれない。
サザビーズのジョナサン・バーフォード(Jonathon Burford)氏が着用していた、きわめてたのしいロレックス Ref.6085。
レイモンド・ミルナリク氏が所有しているユニバーサル・ジュネーブ ポールルーターも、同様の雰囲気を醸し出している。
しかし彼が所有する時計には、この珍しくクールな霜降り/スパイダーダイヤルのような効果がある。
“Wanna Buy A Watch?(ワナ・バイ・ア・ウォッチ?)”のクインテッセンシャルであるケン・ジェイコブス(Ken Jacobs)氏。
そして、もう少々オイスタークォーツを。
アメリカでブレゲの社長に最近就任したヴィンセント・ブラゼスコ(Vincent Brasesco)氏が、ブランドの記念モデルとネオヴィンテージの永久カレンダーを紹介してくれた。
エルメスのテーブルクロックを持ったクリス・コー(Chris Coe)氏。
本当にクールなジャガー アシメトリック。
恒例となっているように、ローリーフェスではいつもパネルディスカッションがひとつ以上開催される。
しかし時計を眺める時間が長すぎると、アダム・ゴールデン(Adam Golden)氏も悲しくなってしまうようだ。たとえ小さなクルマで遊んでいてもだ。最後に力強く締めくくろう。
A氏はブレスレット(そしてクールな時計)でいつも見分けられる。
驚くべきトロピカルダイヤルのロレックス デイデイト。アラビア数字、デイト、デイディスクを備えている。
オーデマ ピゲ Ref.14802ST “ジュビリー” ロイヤル オーク。
パテック アクアノートを着用したジェシー・マック(Jesse Mack)氏。
YG製のロレックス デイトナはどうだろうか?
それともなじみの手首からのものか。
そして最後はロビン・マン(Robin Mann)氏が着けていた、ハニカムダイヤルを備えたロレックス エクスプローラー Ref.6350だ。
さて、下に戻る時間だ。
2日目:ウィンターガーデンでの別れ
2025年のこの特別な時間を締めくくるため、我々は最近リニューアルオープンしたウォルドーフ・アストリア・レジデンスのプライベートスペース、ウィンターガーデンに集まった。
ロイ・ダビドフ氏が所有する、ブルーの“ソレイユ”ダイヤルが特徴的な、後期のオメガ スピードマスター “エド・ホワイト”。
ジェームズ・ラムディン氏の手首に着けられた、ブラックのガルバニック加工を施したギルトダイヤルを備えたロレックス “プレ・デイトナ” Ref.6238。
パーク・アベニューの素晴らしい景色を望む25階のバルコニーにパーティの場は移った。
素晴らしい景色の話が出たところで、アダム・ヴィクター氏の3本の素晴らしい時計も見ていこう。これはムーブメントのヴァルジュー88を搭載した1970年製ブレゲのコンプリートカレンダー・クロノグラフ。
かなりトロピカルなエベラールのコントグラフ。
YG製のロレックス プレ・デイトナ Ref.6238。
アンドレア・パルメジャーニ氏がほかの光景に目を奪われている。
本当に素敵なロレックス GMTマスター Ref.6542。
ローリーフェスのロゴが刻印されたチューダー ブラックベイ 54の当選者であるベルンハルト・ブラン氏が、受賞したばかりのこの時計をジャンニ・アニェッリ スタイルで着けている。
フレッド・サベージ氏が、きわめて正直な使用状態のエテルナ コンティキを着用している。
これから語ろうとしていることについて考えているCraft + Tailoredのタイラー・ヴァネス氏。
語ろうとしていることって? それはWG製のデイデイトが最高だという、我々の共通の意見についての話だ。
ああ、ちょっと待って。新しい議論が今まさに持ち上がったところだ。素晴らしいRef.18308。
クレイジーなロレックス ディスコ・ヴォランテ。型番はわからなかったが、Ref.2947だと思われる。
よし、そろそろお開きだと皆が言っているので、いくつかのデイトナで締めくくろう。
卓越したフォトグラファーであるクリス・コー氏が、さりげなくYGを誇示している。
ソーダライトとダイヤモンドダイヤルを備えたWG製のロレックス デイトナ Ref.116519。
サザビーズのリッチ・ロペス氏が着用していたのは、“デザート イーグル(砂漠の鷲)”のニックネームを持つロレックス デイトナ Ref.6263。ダイヤルにはアラブ首長国連邦の国章である“クライシュの鷹”が描かれており、この鷹の足は、ドバイの首長であるムハンマド・ビン・ラシード・アール・マクトゥーム(Mohammed bin Rashid Al Makhtoum)氏のサインの上に置かれている。
夜の締めくくりとして、新旧の伝説的な時計を紹介しよう。まずはポール・ニューマン デイトナだ。
...そして最後は、WG製のロレックス デイトナ “ル・マン”。次回の開催まで、ローリーフェス 2025に乾杯を!
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