Introducing セイコー パワーデザインプロジェクトコレクション1 限定モデルが登場

　この試みは2001年から2009年まで続き、13年の時を経て2022年に復活した。それはさまざまな観点から腕時計の楽しさやおもしろさに光を当て時計の本質を探究し、そして斬新なアイデアを生み出すことを目的としていた。22年の復活第1弾ではREBIRTH（リバース）－転生－をテーマに、セイコーの歴史を彩る7つの名作をデザイナーが独自の視点で現代的に再定義。そして今回、そのなかの1本がついにセイコーの正式な新コレクションとして登場する。

　新作のデザインを手がけた菅沼佑哉（すがぬまゆうや）氏は、1984年にセイコー ティセから登場した小型ブレスレットウォッチに着想を得たという。当時、世界初のクォーツウォッチ開発に続き、クォーツムーブメントのさらなる小型化を進めていたセイコーは、同時に可能となった腕時計の多彩なデザインによる楽しみ方も提案。そしてティセによって“ルーズフィット”という新しい着用スタイルを打ち出していた。

　本作はその発想を現代的に再解釈した1本だ。1980年代のティセが示したブレスレットのように楽しむ腕時計というコンセプトを、現代の感性とジェンダーレスな価値観のもとで再構築している。現代は論を俟たず、男性らしさや女性らしさを魅力と直結させるのではなく、“多面性”を尊重する時代だ。ブレスレットの造形においても、細く小さなものにどこかフェミニンな印象を重ねてしまう傾向に対し、本作では意識的にバランスが工夫された。

　12時側と6時側で異なるサイズのコマを組み合わせた非対称のブレスレットは現代的な多様性や自己表現のあり方を象徴する。また時計本体と12時側の大きなコマを同じような形とサイズに設計することで、一体感と中性的なバランスを生み出している。6時側3つ目のコマにはきらめく多面カットを施し、ブレスレットらしい遊び心を添えている。12時側のコマに施したヘアライン、鏡面仕上げの異なる輝きは、柔らかなフォルムのなかに洗練された輝きを与えている。

　本作はシルバー、ブラック、ゴールドの3色展開。シルバーモデルは5万600円、ブラックとゴールドモデルは5万6100円（すべて税込）だ。

　本作のジェンダーレスという概念、そしてそれを表現するデザインは実に素晴らしい。しかし個人的な好みとして、思いきりクラシカルで華奢な時計に引かれるのも事実であるため、この中性的なデザインに触れるうちにむしろ1984年のオリジナルモデルへの関心が高まっている。とはいえ本作には、こうした細身のブレスレットウォッチをひとつ手元に迎えたくなる魅力がある。ゆるく着けたときの可動と光り方が計算されているようで、装いにアクセサリー的な軽さを足してくれるのだ。そしてセイコー パワーデザインプロジェクトの公式サイトを見ると今後、本コレクションから次々と新たな時計が登場する予感がし、楽しみにしていようと思う。

ブランド: セイコー（Seiko）
モデル名:  セイコー パワーデザインプロジェクト コレクション1 限定モデル
型番: SSEH021（シルバー）／SSEH023（ブラック）／SSEH024（ゴールド）

直径: 20.2mm
厚さ: 6.7mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ケースとブレスレットとマッチしたカラー
防水性能: 日常生活用防水
ストラップ/ブレスレット: SSEH021はSS／SSEH023はグレー色めっきを施したSS／SSEH024はライトゴールド色めっきを施したSS
追加情報: ハードレックスの風防

キャリバー: クォーツムーブメント Cal.4N30
精度: 平均月差±15 秒（気温 5℃～35℃において身に着けた場合）

価格: SSEH021は5万600円／SSEH023とSSEH024は5万6100円（すべて税込）
発売: 2025年12月5日（金）からセイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーブティック、およびセイコーオンラインストアにて
限定: 各500本（うち国内はSSEH021とSSEH024が200本、SSEH023が250本）

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