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Hands-On 10周年を記念する新キャリバーを搭載したチャペック タイム・ジャンパーを実機レビュー

タイム・ジャンパーはチャペック初のジャンピングアワーウォッチであり、同ブランドの懐中時計のレガシーに敬意を表したハーフハンターケースをゴールドとスティールの両方で採用している。

Photos by Mark Kauzlarich

1800年代半ばにスイスへ渡ったアントニ・パテック(Antoni Patek)とポーランド人移民のフランソワ・チャペック(François Czapek)が創業したチャペックが復活し、今や10年が経ったことを考えると驚きだ。2015年に起業家のハリー・グール(Harry Guhl)氏とCEOのザビエル・デ・ロックモーレル(Xavier de Roquemaurel)氏によって再始動し、時計師のセバスチャン・フォロニエ(Sébastien Follonier)氏が加わったチャペックは、その年にGPHGのパブリックプライズを受賞して一躍脚光を浴びた。その後、パンデミック時代のブーム期には、チャペックのラグジュアリースポーツウォッチであるアンタークティックの需要が爆発的に増加し、この若いブランドは大量の受注残に悪戦苦闘することになった。それから数年が経ち、市場がより抑制的な時代へと移行した今、チャペックはその復活10周年を記念してこの節目にふさわしい10番目の新しい時計と新キャリバーを発表した。“アワー・ジャンパー”はチャペック初のジャンピングアワーウォッチであり、我々は先日ドバイウォッチウィークで実際に手に取って試着することができた。

 スティール(SS)とイエローゴールド(YG)の両方で製造されたタイム・ジャンパーは、古典的な時計製造の要素と技術を、モダンで斬新なデザインと構造の華やかさと予想外に組み合わせるという、チャペックの核心的な理念を表現することを目指している。ドラマティックで珍しいハーフハンターケースはこれを見事に実現しており、往年のチャペックの懐中時計に確かな敬意を表しつつ、驚くほど着用しやすいモダンなラグジュアリーウォッチを提示している。

 ハーフハンターケースはスイスのサプライヤーであるメタレム社が製造しており、渦巻状のギヨシェ装飾があしらわれたケースには、ふたつの開口部が設けられている。また最も重要なのはケースが閉じているときに24時間表示を提示するサイクロプスのようなドーム型拡大レンズであり、その下のカーブした開口部は分表示を示している。蝶番付きのカバーは下側のラグのあいだの細長いボタンを押すことで跳ね上がり、鏡面仕上げが施されたケースカバーの裏側に、自社製ムーブメントCal.10が反射して現れる。

 ポリッシュ仕上げを施したケースはコンパクトで、拡大レンズなしで10.5mm(風防含めて12.35mm)と比較的スリムであり、私の細い手首にも快適に着用できる。ケースは、チャペックのスイスのパートナーおよびサプライヤーであるAB Conceptによって作られている。滑らかで丸みを帯びた細長い形状のケースは直径40.5mm、上下のラグの中心間の長さは42.4mmであり、間違いなく扱いやすいプロポーションである。年間900本から1100本の時計を製造するチャペックによると、リミテッドエディションであるツアー・ジャンパーはSS製モデルで100本、YG製モデルで30本が製造される。価格はSS製モデルでは4万2000スイスフラン(日本円で約820万円)、YG製モデルでは6万4000スイスフラン(日本円で約1250万円)だ。

 初期に、独自のクラウドファンディング キャンペーンを通じて資金調達を行った創業者と株主が所有するこの新興ブランドは、Cal.10を搭載したモデルをさらに50本発表した。これには“スペシャル プロジェクト”ピース(おそらく別の素材)向けに約40本、チャペックのブティックまたは小売店から注文できるビスポーク、カスタムピース専用の約10本が含まれるという。Cal.10を搭載したモデルが合計で約180本存在することになり、1845年のブランド創業から180年という節目に敬意を表したものであろう。

 しかしチャペックCEOのザビエル・デ・ロックモーレル氏がインタビューで語ったところによると、これらのモデルによって、Cal.10(正式にはCal.10.01)を搭載した時計が見納めになるわけではない。同ブランドは、この新しい自社設計ムーブメントを今後何年にもわたって改良し続ける可能性が高い。デ・ロックモーレル氏は、「Cal.10は、アブラハムのようなキャリバーになるでしょう。つまりこれは多くの子どもたちの父となると思います」と述べた。

 プラチナ製ローターによって駆動する新しい自動巻きムーブメントは、タイム・ジャンパーでは全面的に公開されている。それは蝶番付きケースを開いた前面から、仕上げが施されたサファイア製ジャンピングアワーホイールと、青い回転式アウターミニッツリングを備えたスケルトン化された機構が見えるだけでなく、サファイアクリスタル製のシースルーケースバックからもはっきりと確認できる。2万8800振動/時で時を刻み、60時間のパワーリザーブを備えている。

 本作はサンドブラストと円形ポリッシュ、面取りを施したロジウムメッキのブリッジ、ブラックポリッシュのスプリングといった仕上げ技術を採用し、ムーブメントはルーペの下で夢中になれるような、コントラスト、仕上げ、テクスチャーの数々を提供している。SSと18K 3NYG製の両モデルは19mmのラグ幅を持ち、適度な柔軟性で手首に心地よくフィットし、また時計全体の雰囲気を堅苦しく重々しいものにしない同じブルーのラバーストラップが付属する。特筆すべき点として、ドバイウォッチウィークに展示されていた3つのプロトタイプバージョンのうちふたつで、時間になるとジャンピングアワーが“ジャンプ”しなくなっていた。これは時計が4、5日間で何百人ものチャペックのブースの訪問者によって触られ、操作され、いじくり回された後のことだった。アワーホイールはリューズを回して操作すると回転したが、ムーブメントの力では回転しなかった。チャペックによると、このプロトタイプムーブメントはすでに修理済みであり、来年第2四半期の時計納入開始時にはこのキャリバーに問題が生じることはないと見込んでいる。

 目を引くギヨシェ装飾をあしらったハーフハンターケースは懐中時計をさりげなく連想させ、しかし同時にディスコ・ヴォランテのような雰囲気と、中央に配置されたユニークなドーム型サファイアクリスタル製アワーディスプレイが特徴的なタイム・ジャンパーは、思わずじっくりと見入ってしまうモデルだ。蝶番付きケースを開くことで、印象的で新しいムーブメントであるCal.10のディテールに心奪われることになるだろう。ポリッシュ仕上げが施された滑らかなケースがもたらす装着しやすいプロポーション、そしていまや独立系ブランドの波のなかで愛され、トレンドセッターとなったチャペックの帰還10周年を記念するにふさわしい、緻密に考え抜かれた印象的な時計のフォーマルすぎない仕上げに好感が持てる。