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我々が知っていること
エイドリアン・バーカー(Adrian Barker)氏を知らないなら、ぜひ知っておくべきだ。彼はストラップとアクセサリーのオンラインショップ バーク&ジャック(Bark & Jack)を運営する人物だが、それ以上に自身のYouTubeチャンネルや、ブリット・ピアース(Britt Pearce)氏とのポッドキャスト『The Movement』を通じて時計界に影響力を持つ存在である。バーカー氏はミリタリーウォッチに囲まれて育ち、ミニマリズムの美学を重んじ、任務を遂行する頑丈で目的意識の明確なツールウォッチを好んでいる。そんなバーカー氏が今回、初めて時計のコラボレーションを行ったことは注目に値する。相手はバーカー氏と同じ英国出身でスイスメイドのブランド、クリストファー・ウォードだ。その成果が、C60 トライデント ルミエール “グリーン フィフティーン”×バーク&ジャックである。驚くことではないが、これはダイバーズウォッチであり、素材にはチタンを採用している。2月5日から2月12日までの期間限定でオーダーを受け付けており、価格も2995ドル(日本円で約47万円)と、3000ドルを切る手ごろな設定となっている。それでは詳しく見ていこう。
一見するとストイックで実用本位の、モノトーンの美学を貫いたダイバーズだ。直径41mm、ラグ・トゥ・ラグ47.9mm、そして10.85mmというかなり薄いケースはグレード2チタン製で、同サイズの通常モデル、C60と同じスペックを誇る。しかしよく見ていくと、バーカー氏が自身の理想とする手の届く価格の究極のダイバーズを実現するために加えた、あるいは削ぎ落とした細かな違いが随所に見られる。まずは逆回転防止ベゼルだ。全周に分刻みのトラックが配され、12時位置にはきわめてミルサブらしいドット付きのトライアングルが鎮座している。
スーパールミノバの処理も差別化のポイントだ。ベゼルにはたっぷり夜光が充填されているが、最初の15分間とドット付きトライアングルにはグリーンの夜光が、それ以外にはブルーが採用されている。この使い分けはダイビングの際にも役立つが、エイドリアン氏によれば、実際のダイバーが少ないことを考えるとそれ以上に暗闇で圧倒的にクールに見えることのほうが重要だと言う。
グリーンの夜光は分針にも使用されており、ブルーのみを採用する標準モデルとは異なる繊細な違いとなっている。ポッドキャスト『The Business of Watches』での会話のなかで、バーカー氏は今回の時計のためにクリストファー・ウォードの針のデザインを変更することも検討したが、ユニークな形状のトライアングルやバトンインデックスはC60 トライデント ルミエールのデザインにおいて不可欠で不可侵な要素であると結論付け、思い直したと語っている。
一方、ダイヤルとインデックスには大幅な変更が加えられた。ダイヤルは(グレーではなく)マットブラックで、微細な粒状のテクスチャーが本格的なツールウォッチの雰囲気を高めている。アプライドインデックスは円形のドット型(チューダーを彷彿とさせる)であり、12時位置のドット付きトライアングルと呼応している。ベゼルのマーカーに合わせたチャプターリングは判読性と視認性を高めるために一段高くなっている。また、飽和潜水も可能なヘリウムエスケープバルブを備えている(もし機会があれば)。ケースは大部分がサテン仕上げ、最小限のポリッシュ仕上げが施され、もちろんクリストファー・ウォード特有のボルト留めリューズガードとねじ込み式リューズを備えている。
バーカー氏の名前も彼のブランド名もダイヤル上に見当たらない点は賞賛に値し、好感が持てる。ただしUVライトを手に取り手首に向けると、“chronometer”と防水スペック表記の上にブルーのロゴが浮かび上がる仕掛けだ。特筆すべきは、この時計にはUVトーチが同梱されていることである。また、フランスで製造されたバーク&ジャック製の幅22mm、グレーのラバー&ファブリックのツーピースストラップも付属する。ケースバックには、ビクトリノックスのスイスアーミーナイフの“アロックス”処理を思い起こさせるパターンの上に、バーク&ジャックのロゴが刻印されている。バーカー氏によれば、このデザインは、彼が機械工学や高品質な時計製造への造詣を深めるきっかけとなった亡き祖父のポケットナイフへのオマージュだという。
ねじ込み式のクローズドケースバックの裏側には、汎用性の高いセリタ SW300-1が収められている。これはCOSC認定の自動巻きムーブメントで、約56時間のパワーリザーブを提供する。もちろん、グリーン フィフティーンには日付表示はない。それは間違いなく、不必要で余分なものだからだ。
我々の考え
エイドリアン・バーカー氏による、ありふれたダイバーズウォッチに対する回答を見るのは楽しい。削ぎ落とされ、ミニマリズムを追求し、必要不可欠な要素だけに絞り込みながらも、目的意識が明確なこのタイムピースは実に見栄えがよい。これは彼が自身のYouTubeチャンネルで取り上げ、探求してきたデザインの影響を正当に表現したものだ。グリーン フィフティーンのなかに、クリストファー・ウォードだけでなく、チューダー、オメガ、おそらくはロンジンの片鱗、そして間違いなくロレックスの影を見ることができる。
素材、デザインの配慮、スイスメイドの品質を考えれば、価格設定はきわめて妥当に思える。ビッグブランドの競合他社と比較すれば、同様の機能、素材、磨き抜かれた美学を、かなり安価に手に入れることができるのだ。私はトライデントのボルト留めリューズガードのデザインはそれほど好みではないが、それを取り除いてしまえば、この時計の目的意識や堅牢性は損なわれてしまうだろう。バーカー氏の控えめな時計デザインを“退屈”と呼ぶ者もいるが、グリーン フィフティーンはその“退屈”がいかに有用で洗練されたものになり得るかを示してくれている。
クリストファー・ウォードとの初のウォッチコラボレーションとなるチタン製のグリーン フィフティーンを着用するエイドリアン・バーカー氏。
基本情報
ブランド: クリストファー・ワード×バーク&ジャック(Christopher Ward × Bark & Jack)
モデル名: C60 トライデント ルミエール “グリーン フィフティーン”×バーク&ジャック(C60 Trident Lumière 'Green Fifteen' x Bark & Jack)
直径: 41mm
厚さ: 10.85mm
ケース素材: チタン
文字盤: マットブラック
インデックス: アプライド
夜光: スーパールミノバ、グリーンとブルーの2色
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: マイクロアジャスト機能を搭載したチタン製の3連ベイダーブレスレットと、チタン製の金具が備わったバーク&ジャック製のツーピースラバーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: セリタ SW300-1
機能: 時・分表示、センターセコンド
直径: 25.6mm
厚さ: 3.6mm
パワーリザーブ: 56時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25
クロノメーター認定: あり、COSC認定
価格&発売時期
価格: 2995ドル(日本円で約47万円)
発売時期: 2月5日から2月12日までの期間限定オーダー
限定: なし
詳しくはバーク&ジャックの公式サイト、そしてクリストファー・ウォードの公式サイトをご覧ください。
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