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我々が知っていること
Watches & Wonders 2026で、ベルギー発のレッセンスはコレクション初となる自社製ムーブメント、Cal.RW-01を載せたType 11を発表した。理論上、これはレッセンスが今後、大半のモデルでETAのベースムーブメントを使わなくなることを意味する。ETAムーブメントはこれまで同ブランドの全モデルを駆動してきたのだ。これらのムーブメントにはそれぞれ、ブランド独自の軌道式機構であるレッセンス・オービタル・コンベックス・システム(ROCS)モジュールが組み合わされていた。
10月16~18日まで開催されていたウォッチタイム ニューヨーク(WatchTime New York)に合わせて発表されたType 10は、レッセンス初の自社ムーブメントを搭載したオイル充填モデルである。このType 10は過去のレッセンスのデザインをいくつか組み合わせたように感じられるかもしれない。しかし、完成した時計は意外にも新鮮な印象を与える。その印象を大きく左右しているのがケースとベゼルだ。グレード5チタン製の41.5mmケースのシルエットはクッション型のようで、ケースと段差なく一体化したラバーストラップとの組み合わせも、レッセンスとしては新鮮だ。ケース全体には光沢のあるダークブルーのコーティングが施され、その色はストラップやバックル、そしてもちろん文字盤にまで及ぶ。レッセンスはこれをDLCコーティングと説明しているが、私の知る限り、この工程で色付きのコーティングを実現するのは難しい。したがって、別の種類のコーティングだと考えている。推測するなら、何らかのセラミックコーティングだろう。デザインにはわずかにスクエアな印象もある。12時位置と6時位置ではベゼルの縁が平らになっており、角張ったラグと調和している。興味深いのは、ベゼルのインサートが複数のセグメントに分かれていることだ。各セグメントにはサテン仕上げが施され、10分刻みの位置にはサンドブラスト仕上げと夜光塗料を施したインサートが配されている。レッセンス創業者のベノワ・ミンティエンス氏(Benoît Mintiens)によると、各セグメントのサテン仕上げにはわずかな角度の違いがつけられており、光を独特のかたちで反射させるという。
文字盤は、オイル充填式のType 7の文字盤から着想を得ており、表示機能も同じだ。時・分針に加え、120秒で1周するランナーサブダイヤルを備える。これはスモールセコンドというより、ムーブメントが作動していることを示す表示だ。さらにその下には、急な衝撃で文字盤の位置がずれるのを防ぐため、オイル内で摩擦ブレーキとして機能する仕組みがある。
温度表示用の窓も設けられており、時計の通常動作温度範囲である25℃±10℃の範囲内では緑色を示す。残るスペースにはGMTサブダイヤルが収まる。こちらのデザインはType 7に比べて大幅に簡略化されている。ディスクの周囲に24時間分の数字を並べる代わりに、グラフィカルな表示を採用し、午前0時の位置に加えて第2時間帯の昼夜も明確に示す。
もちろん、文字盤全体にオイルが満たされているため、非常にクリアに見える。文字盤の表面全体が風防そのものに投影されているかのようだ。オイル充填式の時計を見たことがなければ、ぜひ一度見てほしい。とてもおもしろい光景である。ただし、オイル充填式の時計は通常クォーツであり、機械式を採用するレッセンスのオイル充填式時計は例外的な存在だ。これを実現するため、ムーブメントの上半分と下半分は薄いチタン製の膜で隔てられている。
上部は、軌道式表示を採用した文字盤を収めたオイル充填部で、下部には機械式Cal.RW-04が収められている。そしてキャリバー側では、小さな磁石を組み込んだディスクが駆動する。その磁力で、オイル側にある受け側のディスクを動かす仕組みだ。受け側のディスクは、機械式キャリバー本体と物理的につながっている必要がない。レッセンスでは長年採用されている技術だが、何度見ても手品のように感じられる。Cal.RW-01と同様、新しい自動巻きCal.RW-04もパワーリザーブが約60時間に延長されている。レッセンスが自社で設計し、スイスのパートナー企業を通じて製造する。Type 7と同じくType 10の防水性能も50mだ。これを実現するのが、ガスケットとしても機能する複数パーツからなる裏蓋である。時刻合わせやゼンマイの巻き上げのために裏蓋中央部を回すには、まず裏蓋外周部をねじって外す必要がある。複雑そうに聞こえるが、実際に操作してみるとずっと簡単だ。
新作のレッセンス Type 10は100本限定で、価格は4万5000スイスフラン(日本円で約860万円)である。
我々の考え
レッセンスは新たな時代に入りつつある。デザインは今も、ブランド設立初期に創業者が築いた枠組みを大きく踏襲している。それでも、とりわけムーブメントをより専用性の高いものへと変えていく動きは前向きであり、避けられない進化だと思う。レッセンスがこれまで採用し、コレクションの大半で今も使っているETAベースのムーブメントに、特に問題を感じたことがない。レッセンス独自の工夫は完成した時計を見れば明らかだからだ。しかし、Type 11のレビューで述べたように、この変化によって、ETAムーブメント搭載の時計に7桁の金額を払うことへの不満の多くは、理論上収まるはずである。
新作のType 10は、とても魅力的なデザインだと思う。見慣れた印象を受けるかもしれないが、発売直前に実機を見たとき、新しいケースデザインがブランドのほかのモデルにはないType 10独自の魅力を生み出していると感じた。全体の造形はグラフィカルで、デザインから数字をすべて省いた判断も気に入っている。おかげで、存在感を抑えたデュアルタイムウォッチに仕上がっているのだ。もちろん、正確な時刻を読み取るのは難しくなる。しかしレッセンスは、時刻表示の実用性よりもデザインを優先してきたブランドだ。その意味でこのデザインはとても好ましい。
まず伝えたいのは、ケース径が41.5mmであることだ。残念ながら、オンライン上だとこの時計の魅力が十分に伝わらない。実物を着けると、41.5mmという数字から想像するよりもかなり小ぶりに感じられる。角張ったケースには非常に短いラグが備わり、ラバーストラップもケースの端から大きく下向きにカーブしている。私のように手首が細めの人(6.5インチ、約16cm)でも、ケースは手首の幅にゆとりをもって収まった。よくも悪くも、Type 10は実物を見てから評価したい時計だ。しかしレッセンスの世界に詳しい人でも、この時計がコレクションに加わる魅力的な新作だと感じるだろう。
基本情報
ブランド: レッセンス(Ressence)
モデル名: タイプ10(Type 10)
直径: 41.5mm
ケース素材: グレード5チタン
文字盤: ブルー
インデックス: プリント
夜光: あり
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: 一体型ラバーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: 自社製Cal.RW-04、ROCS10モジュール
機能: 時・分表示、120秒ランナー/耐衝撃機構、第2時間帯、オイル温度表示
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4Hz)
クロノメーター: なし
追加情報: 空気側からオイル側への磁気伝達、オイルの体積変化に対応する膨張膜、裏蓋による巻き上げと時刻合わせ
価格 & 発売時期
価格: 4万5000スイスフラン(日本円で約860万円)
発売時期: 2026年11月発売予定
限定: あり、世界限定100本
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