ADVERTISEMENT
我々が知っていること
ウォッチメイキングにおいて、最も魅力的で愛され、そしてしばしば高価な芸術形式のひとつがクロワゾネ(七宝焼)エナメルである。これは、細い金属(多くの場合は金)の帯を土台に接着して小さな区画(七宝)をつくり、そこにエナメルを流し込んで情感あふれる情景を描く技法だ。レボリューション(Revolution)とセラドン・オート・オルロジュリー(Celadon Haute Horlogerie)が手がけた本作のように、4つの美しい情景を得るには膨大な作業が必要となるが、その価値は十分にありそうだ。
オータム / Chrysanthemum (菊)
サマー / Bamboo (竹)
スプリング / Orchid (蘭)
ウェイ・コー(Wei Koh)氏率いるレボリューションと、ベンジャミン・チー(Benjamin Chee)氏率いるセラドン・オート・オルロジュリーによる本コラボレーションでは、“四君子(しくんし)”の情景と四季をモチーフとした4枚のダイヤルが展開されている。四君子とは、梅、蘭、竹、菊の4つの植物を指す総称で、中国の伝統的な花鳥画において頻繁に描かれる題材である。これらの情景は北京のエナメル職人、匠・熊松涛(ション・ソンタオ)によって手がけられた。クロワゾネエナメルの製作はワイヤーの配置だけで50時間以上を要し、さらに複数回にわたる高温焼成という高リスクな工程を経る。完成に至る成功率はわずか10%に過ぎない。
ウィンター / Plum Blossom (梅)
ケースは直径38mm、厚さ10.1mmのステンレススティール製で、防水性能は50m。ケースには立体的なティアドロップ型ラグが備えられている。裏側のシースルーバックからは、セラドングレード(セラドンのロゴが施された専用仕上げ)のシーガルST18ムーブメントが確認できる。2万8800振動/時で駆動し、パワーリザーブは約42時間。ムーブメントにはペルラージュやコート・ド・ジュネーブといった機械加工による仕上げが施されている。またシンガポールのRSM Watch Strapsの創業者である、リン・イーヤン(Lin Yiyan)氏が製作したストラップが取り付けられている。
著名なエナメル職人による時計芸術作品は、セカンダリーマーケットにおいて非常に高額で取引されている。たとえ小さなエナメル装飾であっても、現代のパテック フィリップの時計には高い付加価値がついており、たとえばワールドタイム・ミニット・リピーター Ref.5531Gは77万6797ドル(日本円で約1億1600万円)で販売されている(もっとも、価格の多くは複雑なムーブメントに起因するものだが)。“インペリアル・フォー・ノーブルズ”コレクションで特筆すべき魅力のひとつは、このような高度な技術が注がれた美しいダイヤルでありながら、比較的手の届きやすい価格帯に設定されている点である。価格は1本1万850ドル(日本円で約160万円)で、4種類のモデルから選択できる。また、全4本を収めたボックスセットも4万3250ドル(日本円で約640万円)で用意されている。予約注文はレボリューションの公式サイトにて8月25日まで受け付けており、スースクリプション方式(注文生産)で展開される。各モデルは25本限定で、すべてナンバリングが施される。
Autumn / Chrysanthemum (菊)
我々の考え
このようなリリースは価値の最大化を常に求め、そして優れたクラフトマンシップ、とりわけクロワゾネに深い愛着を持つ自分のような人間にとって非常に魅力的に映る。情景の描写はとりわけ目を引くが、比較的落ち着いた自分のコレクションにも十分調和し得るだろう。エナメル職人たちと過ごす機会があったおかげで、クラフトの質についてはある程度うるさくなったつもりだ。教えられてきた基準によれば、優れたクロワゾネは、ワイヤー同士がしっかりと接続されておりきちんと閉じた区画=七宝が形成されているべきだという。残念ながら、最近はその水準に達していない作品を数多く目にしてきた。しかし本作はその点において素晴らしく、色彩の豊かさと奥行きのある表現に圧倒される。
搭載されているムーブメントはやや物足りなさを感じさせるもので、セラドン(および他ブランド)のはるかに手ごろな価格帯のモデルにもよく用いられている。これはつまり、価値の大部分がダイヤルに集中しているということであり、これほどの技巧にこれまで手が届かなかった多くの人々にとっては十分に納得のいくトレードオフだろう。この価格帯であれば、個人的にはサマーまたはスプリングのモデルを選びたい。
基本情報
ブランド: レボリューション×セラドン・オート・オルロジュリー(Revolution × Celadon Haute Horlogerie)
モデル名: クロワゾネエナメル “インペリアル・フォー・ノーブルズ”
型番: ウィンター / Plum Blossom (梅)/スプリング / Orchid (蘭)/サマー / Bamboo (竹)/オータム / Chrysanthemum (菊)
直径: 38mm
厚さ: 10.1mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: スターリングシルバー製ベースに、クロワゾネエナメルによる4種の情景
インデックス: なし
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: RSM Watch Straps製ストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: シーガルST18(セラドングレード)
機能: 時・分表示、センターセコンド
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター: なし
価格&発売時期
価格: 1万850ドル(日本円で約160万円)
発売時期: 2025年7月25日の公式発表日から1カ月間の受注受付、配送開始は注文から4カ月後
限定: スースクリプション方式にて販売。各モデルは最初の25本にシリアルナンバー入り
詳しくはこちらをご覧ください。
話題の記事
No Pause. Just Progress GMW-BZ5000で行われた継承と進化
Introducing ゼニス デファイ エクストリーム クロマに新たなふたつの限定モデルが登場
Introducing ヴァシュロン・コンスタンタンが36.5mmの新型トラディショナル・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダーを3本発表