ADVERTISEMENT
我々が知っていること
ウルベルクは今回、これまでステルス的な存在感を放っていたUR-150 “スコーピオン”に新たな鮮烈な解釈を加えたUR-150 “ブルースコーピオン”を発表した。たしかに表面的には、今回のジュネーブ・ウォッチ・デイズ向けの新作はカラーの変更とケースに刻まれた新しい装飾パターンにすぎない。しかし登場から1年も経たない新しいサテライト機構を搭載したUR-150にとって、それこそが必要十分な進化なのだ。
昨年、同僚のマークが初代のブラックのUR-150 “スコーピオン”を実機レビューしているので、UR-150の機構の複雑さや構造についてさらに深く知りたいなら、ぜひ彼の記事を参照して欲しい。簡潔に説明すると、UR-150は新しい240°レトログラード式サテライトディスプレイを搭載している。これはまるでステロイドを投与されたワンダリングアワーのような仕組みで、分針が同じ方向に進んで次の時刻へ移るのではなく、分針(同時に3つの回転サテライトの現在時刻を囲むフレームでもある)が60分に達すると一気に240度を飛び戻り“0”にリセットされる。その瞬間、3枚の時刻ディスクが270°回転し、分針フレームがリセットされた位置で適切な時刻と正しく整列する仕組みだ。
これらは一瞬のうちに起こるが、実際に目にすると、複数の部品が同時に動く様子をぼんやりと捉えることができる。この機械的な現象はまさにサソリの毒針のような衝撃を与えるため、その名が冠されているのだ。Cal.UR-50.01に搭載されたカムとラックシステムが、この毎正時に繰り広げられるアニメーションのような時刻表示を担っている。分針にはアルミニウムの軽さが不可欠であり、さらに耐久性と制御を確保するためのスピードガバナーが組み込まれている。UR-150の裏側には、ウルベルク独自のタービン付きローターがキャリバー全体を覆っているが、心配はいらない。見たいものはすべて表側にあるからだ。
これまでに登場した最初のふたつのUR-150モデルは、モノクロームのデザインにわずかなカラフルな差し色を加えたものだったが、新作ブルースコーピオンではダイヤル側のキャリバーのほとんどが鮮烈なブルーで仕上げられている。各表示には夜光塗料が充填され、一部は鮮やかなグリーンで発光し複雑なムーブメントにおいて視認性を高めている。ビーズブラスト仕上げのスティールとチタンによるトノー型のケースは幅42.5mm、長さ51mm、高さ14.8mmで、新たな彫刻が施されている。時計全体に施された円形の溝模様に加えられたこのケースデザインは確実に目を引く存在となっているが、そもそもブルースコーピオンは控えめな時計であろうとしたことは1度もなかったのだ。
一体型のラバーストラップを備えたUR-150 “ブルー スコーピオン”は50本限定で、価格は9万スイスフラン(日本円で約1675万円)だ。
我々の考え
実際にウルベルクの時計を目にして、そのブランド独自のレトログラードやワンダリングアワーに感銘を受けない人を想像するのは難しい。UR-150もまさにそのように感じさせるモデルである。私はこれまでニューヨークやジュネーブで過去のモデルに触れる機会に恵まれたが、リューズを回してレトログラードの動きを作動させた瞬間、子供のような驚きが頭を支配し、この時計がかなり大きく、装着するためにはしっかりした手首が必要だという現実を忘れてしまうほどであった。
超モダンなデザインは万人向けではないが、それこそがウルベルクの真骨頂であり、どのような新作であってもブランドの本質に忠実である点に、私は常に敬意を抱いている。バウムガルトナー(Baumgartner)氏とフライ(Frei)氏によるクリエーションを身につけている人を見れば、ひと目でそれがウルベルクであるとわかるのだ。私はしばしば同ブランドに、ブラック、グレー、レッドといった工業的なカラーパレットを思い浮かべるが、ウルベルクが色彩を探求する時こそ最も興味深いと感じる。今回の鮮烈なブルースコーピオンのようなモデルに踏み切ることができるのは、特別な覚悟を持った購入者だけだろう。そして、もし実際に街中でこの時計を身に着けている人を見かけたなら、私は間違いなく真っ直ぐに近づいて時計談義を始めるに違いない。
基本情報
ブランド: ウルベルク(Urwerk)
モデル名: UR-150 “ブルースコーピオン”(UR-150 'Blue Scorpion')
直径: 横42.5mm×縦51mm
厚さ: 14.8mm
ケース素材: スティール&チタン
文字盤色: ブルー
インデックス: エングレービング
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: フォールディングストラップ付きラバーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: UR-50.01
機能: レトログラード式分針を備えたワンダリングアワー
パワーリザーブ: 43時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 38
クロノメーター認定: なし
追加情報: ダブルタービンによって制御される自動巻きシステム
価格&発売時期
価格: 9万スイスフラン(日本円で約1675万円)
発売時期: 発売中
限定: あり、50本限定
詳しくはこちらをご覧ください。
話題の記事
No Pause. Just Progress GMW-BZ5000で行われた継承と進化
Introducing ゼニス デファイ エクストリーム クロマに新たなふたつの限定モデルが登場
Introducing ヴァシュロン・コンスタンタンが36.5mmの新型トラディショナル・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダーを3本発表