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2025年はブランパンが創業から290周年、ヴァシュロン・コンスタンタンが270周年、ブレゲが250周年、そしてオーデマ ピゲが150周年と多くのブランドがアニバーサリーイヤーを迎え、数多くの話題作を発表した。アニバーサリーイヤーには必ず大きな動きがある、そう考えて間違いない。では、2026年はどんなブランドがアニバーサリーを迎えるのか。本稿では2026年、特に注目しておきたいブランドや、アイコニックモデルにフォーカスした。予想が当たるかはさておき、これらのブランドやモデルを注視しておくことで、2026年の新作発表がより楽しみになるはずだ。
チューダー 創業100周年
初期に発表された角形のチューダーウォッチ。
2026年、一番の目玉となると筆者が思っているのがチューダーだ。チューダーの“歴史が始まった”とされるのは1926年。つまり2026年が100周年のアニバーサリーイヤーとなる。まさかそんなまたとない機会に、何のサプライズがないほうがおかしいだろう。
“歴史が始まった”などと少々回りくどい表現をしたのは、厳密に言うと1926年はチューダーが“創業した”年ではないからだ。語弊がないように少し細かく紹介しよう。1926年はチューダー(TUDOR)の名が商標登録された年、つまりブランドの誕生年だ。腕時計ディーラーだったヴーヴ・ドゥ・フィリップ・ヒュンター(Veuve de Philippe Hüther)がロレックス創業者のハンス・ウイルスドルフ(Hans Wilsdorf)の代理で商標登録をしたのち、ジュネーブで会社を設立。ハンス・ウイルスドルフがチューダーの独占的使用権を取得した。その後、1936年にハンス・ウイルスドルフへとチューダーブランドが譲渡され、1946年になってようやく時計メーカーとしてのモントル チューダー S.A.(Montre TUDOR S.A.)が設立されることとなった。つまり1926年はチューダーにとってブランド誕生100周年であり、ブランド譲渡から90年、そして時計メーカーとしての創業80周年ということになるのだ。
チューダー 1926 ルナ
いずれにせよ、2026年はチューダーにとって記念すべき年に変わりはないのだが、どんなサプライズがあるだろうか? 最も可能性が高いのはチューダー 1926コレクションでのアニバーサリーモデルの発表だ。同コレクションの名前は、チューダーブランドが創設された年にちなんだものであり、これ以上ふさわしい受け皿はない。28mm、36mm、39mm、41mmのサイズ違いのシンプルなデイト付き3針ウォッチ(ダイヤモンドインデックス仕様やローズゴールドのツートンもあり)を展開し、39mmでは2025年にムーンフェイズモデルのチューダー 1926 ルナも追加された。
チューダー 1926コレクションではセリタベースのムーブメントを採用しているが、アニバーサリーモデルとしてケニッシ製のいわゆるマニュファクチュールキャリバー仕様の登場、あるいはチューダーブランドがハンス・ウイルスドルフへ譲渡された際にチューダー朝のローズモチーフがダイヤルに施されるようになったことから、クラシカルデザインの“薔薇ロゴ”モデルの発表などもあり得そうだ。個人的には現在それほどラインナップが豊富ではないチューダーのクロノグラフに、かつての“モンテカルロ”や“ビッグ・ブロック”を彷彿とさせるモデルが登場したら、話題になることは間違いないと思っているのだが…。早くもWatches & Wonders Geneva 2026での新作発表に期待が膨らむ。
ブランドの詳細は、チューダー公式サイトへ
ヴァン クリーフ&アーペル 創業120周年、ポエティック コンプリケーション20周年
2020年に発表されたミッドナイト プラネタリウム。
記念すべき周年が重なるという意味でいえば、ヴァン クリーフ&アーペルも見逃せない。ヴァン クリーフ&アーペルは2026年に創業120周年、そして同メゾンのポエティック コンプリケーションが誕生から20周年を迎えるのだ。そもそも忘れてはならないのが、ポエティック コンプリケーションがメゾンの創業100年を記念して誕生したコレクションだということだ。
2006年に登場した最初のポエティック コンプリケーション(モデルチェンジしたレディ アーペル ジュール ニュイ ウォッチが現行コレクションとして今もラインナップされている)は時の経過に合わせて季節が巡る様を表現したものだった。それから時を重ね、2010年にはアイコンとも言えるパリの橋の上で恋人たちが時間とともに歩み寄り、正午(または深夜)にキスをするというロマンチックなストーリーを表現したレディ アーペル ポン デ ザムルー ウォッチが登場。その後も数多くのポエティック コンプリケーションウォッチが登場したが、ミッドナイト プラネタリウム(2020年発表)のようにコラボレーションによるユニークな作品も生み出され、詩的なウォッチメイキングという一般的な時の概念を超えたポエティック コンプリケーションはヴァン クリーフ&アーペルにとって欠かせないものとなった。
きっとWatches & Wonders Geneva 2026で発表されるであろう新作のエティック コンプリケーションも、思わず感嘆の声が出るような驚く表現に違いない。
ブランドの詳細は、ヴァン クリーフ&アーペル公式サイトへ
ショパール L.U.C 30周年
初代L.U.C 1860。
2026年にマニュファクチュール設立30周年を迎えるショパール。間違いなくL.U.Cコレクションからアニバーサリーを祝う新作が発表されると思うのだが、2025年の同コレクションの充実ぶりを見ていると、どんなモデルが発表されるのか、まったく想像がつかないというのが正直な気持ちだ。
2025年1月、ショパールは早々に新作を発表した。それがブランド史上初めてフライングトゥールビヨンとパーペチュアルカレンダーというふたつの複雑機構を組み合わせたL.U.C フライング T ツイン パーペチュアル、そしてパーペチュアルカレンダーモデルのL.U.C ルナ ワン(時計の詳細はこちらの記事を読んで欲しい)だ。そしてWatches & Wonders Geneva 2025では、ムーブメントとデザインを刷新した(このHands-On記事も必読だ)、そしてショパールの芸術的クラフツマンシップの結晶とも言えるL.U.C クアトロ スピリット 25‐ストロー マルケトリー エディション、高精度なアストロノミカルムーンフェイズ機構を備えたL.U.C ヘリテージ EHG ムーン 122、そして透明なサファイアクリスタル製のダイヤルを持つL.U.C フル ストライク レヴェレーションとまさに充実のラインナップ(これらの詳細はこの記事から)。そして10月には日本をテーマとしたメティエダールコレクションとなる「Inspirations from Japan - Artistic Crafts in Time」、11月にはマニュファクチュールの集大成と言っても過言ではないL.U.C グランド ストライクをドバイウォッチウィークで発表した。まさに隙がないほどの充実ぶりである。
アニバーサリーということで、L.U.Cの原点である初代L.U.C 1860を彷彿とさせるモデルの登場を期待したいところだが、これについてはすでに初代L.U.C 1860にインスパイアされた現行のL.U.C 1860がラインナップされている。2026年のWatches & Wonders Genevaでは、一体どんなサプライズを見せてくれるのか、ショパールに注目しておいて損はない。
ブランドの詳細は、ショパール公式サイトへ
IWCの最初のパイロットウォッチ 90周年
現行のパイロット・ウォッチ・マーク XX。
個人的に2026年に動きがあるのではないかと気になっているのが、IWCのパイロット・ウォッチだ。1936年に初代スペシャル・パイロット・ウォッチが発表されてから、2026年で90周年となる。もちろん周年を迎えることも理由のひとつではあるが、注目しているのはそれだけではない。
現在のパイロット・ウォッチコレクションは、前述の初代スペシャル・パイロット・ウォッチというよりも、1948年に軍用として作られた“マーク 11(マーク XI)”が原型となっている。マーク 11(マーク XI)の後継、民生用として作られたマークXIIが登場するのは1994年。その後も1999年に3代目のマーク XV、2006年に4代目のマークXVI、2012年に5代目のマークXVII、2016年に6代目のマークXVIII、そして2022年に7代目となるマークXXを発表するなど、IWCのパイロット・ウォッチの発表は比較的短いスパンで行われてきた。現行のマークXXが登場したのが2022年であることを考えると、そろそろモデルチェンジを果たした新型が登場しても不思議ではないタイミングなのだ。
パイロット・ウォッチの特性上、デザインはそう大きくは変わらないだろうし、耐磁性を持つという点も変わらないだろう。考えられるのはムーブメントの進化、そしてサイズの変更だ。歴代モデルを見てみると、36mm(マークXII)→38mm(マーク XV)→39mm(マークXVI)→41mm(マークXVII)→40mm(マークXVIII)→40mm(マークXX)というように徐々にサイズアップを図りながら現在に至る。小ぶりサイズの時計のニーズが増えている昨今の状況から、サイズダウンを果たした新型が登場するのではないかと思っているが、同じようにサイズダウンを期待している人は少なくないのではないだろうか?
ブランドの詳細は、IWC公式サイトへ
カシオ カシオトロン X-1 発売50周年、シチズン クリストロンソーラーセル 発売50周年
2024年に登場したカシオトロンQW02の復刻モデル、TRN-50。
日本のブランドでも、2026年には注目しておきたいアニバーサリーを迎えるものがある。ひとつはカシオトロン X-1が発売から50周年を迎えるということだ。カシオは2024年に、時計事業50周年を記念して、同社初の腕時計でありデジタルウォッチとして世界で初めてオートカレンダー機能を搭載したカシオトロンQW02の復刻モデル、TRN-50を発表した。そして2026年は新たな“世界初”を実現したデジタルウォッチ、カシオトロン X-1の発売50周年なのだ。このカシオトロン X-1は、“ひとつの腕時計のなかに5つの電子頭脳”というフレーズとともに登場したモデルで、① オートカレンダー機能 ② ストップウォッチ/タイマー ③ 押すごとに加算されるカウンター ④ 6都市の時刻を確認できるワールドタイム ⑤ ホームタイムとは異なる時刻表示を設定できる機能を搭載。カシオにおける数々の“多機能腕時計のルーツ”となった記念碑的なモデルなのだ。カシオトロンQW02が復刻された今、カシオトロン X-1の復刻も十分考えられよう。
そしてもうひとつの周年は、シチズンのクリストロン ソーラーセルの発売50周年だ。この時計は、世界初の太陽電池充電式のアナログクォーツ式腕時計で1976年に発表されたもので、太陽光や室内のわずかな光を電気に換えて時計を動かし続けるシチズンのコアテクノロジーであるエコ・ドライブの原点とも言える存在なのだ。過去にそのデザインを復刻したことはあったが、シチズンの時計開発史においてマイルストーンとなったきわめて重要なモデルだけに、クリストロン ソーラーセルに着想を得たまったく新しい時計が発表されることを密かに期待している。
ブランドの詳細は、カシオ公式サイト、およびシチズンウォッチ公式サイトへ
そのほか、2026年にアニバーサリーイヤーを迎えるブランドの注目株はまだいくつもある。以下、注目しておきたいブランドの一覧だ。
- ジラール・ペルゴ 創業235周年(1791年創業)
- ギャレ 創業200周年(1826年創業)
- ユリス・ナルダン 創業180周年(1846年創業)
- セイコー 創業145周年(1881年創業)
- モンブラン 創業120周年(1906年創業)
- チュチマ 創業100周年(1926年創業)
- カシオ 創業80周年(1946年創業)
- ジン 創業65周年(1961年創業)
- レイモンド ウェイル 創業50周年(1906年創業)
- フランクミュラー 創業35周年(1991年創業)
- ベル&ロス 創業35周年(1991年創業)
- リシャール・ミル 創業25周年(2001年創業)
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