trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

2025年GPHG:ブレゲが金の針賞を受賞

時計業界最大の授賞式で、今夜発表されたすべての受賞者。

ADVERTISEMENT

時計業界のトップアワードショーであり、世界を代表する傑出した時計が紹介される2025年ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)が、ジュネーブで閉幕した。バティマン・デ・フォルス・モルティス(Bâtiment des Forces Motrices、旧水力発電所)を舞台に、今年の時計製造における功績をエレガントで熱狂的な祝典が行われた。そしてさっそく、大きなニュースをお伝えしよう。ブレゲが、ブランドの250周年という記念すべき年にクラシック スースクリプション 2025で最高賞の“金の針賞(Aiguille d'Or)”を受賞し、その成功を強調した。

GPHG

 確かにGPHGは依然として不完全な賞ではあるが、それでも業界がその年の時計製造における最高のものをハイライトするための最良の舞台であり続けている(いくつかの注目すべき欠席や、暗黙の政治的緊張やライバル関係にもかかわらず)。

 GPHGプログラムにはパテック フィリップやロレックスはなく、スウォッチ グループやリシュモングループのブランドからの時計もかなり少ない。しかしそれは、今年のノミネート者や受賞者たちの功績を損なうものではない。彼らは皆、きわめて競争の激しい幅広いカテゴリーのなかで、同業者から認められた最高クラスの作品を生み出すことに成功したのだ。今年の授賞式のカテゴリーとファイナリストについて簡単に復習が必要な場合は、こちらからチェックして欲しい

 この夜は、GPHG審査委員長を5年間務めたニック・ファルクス氏(Nick Foulkes/下にステージで写っている)への送別の辞でもあった。彼はウォッチメイキングにおける最も重要な決定機関グループのトップとしての任期を終える。それは小さな火花や心遣いが、いかに時計への情熱を広めることができるかを、出席者全員に思い出させる夜だった。

GPHG

 “メカニカル・エクセプション”賞をグルーベル・フォルセイの全130名の従業員を代表して受け取ったCEOのミシェル・ニデッグ(Michel Nydegger)氏は、電子技術が世界を支配している時代に、グルーベルを着用し機械式時計製造を評価してくれたMetaのCEO、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏にも感謝の意を表した。

 ジュネーブの中心部で多くの群衆が時計とウォッチメイキングを祝うために集まったエキサイティングな夜だった。以下に、各カテゴリーの受賞者をまとめる。


金の針賞:ブレゲ クラシック スースクリプション 2025

 最高賞は、ブレゲとブランドの250周年を記念したクラシック スースクリプション 2025に贈られた。この賞は、CEOのグレゴリー・キスリング(Gregory Kissling)氏が受け取り、伝説的なアブラアン-ルイ・ブレゲによる最初のスースクリプション懐中時計の誕生を振り返った。ブランドには伝統とモダニティの融合が宿っており、その集合的な精神は続くだろうと彼は述べた。この時計に関するリッチ・フォードンの記事はこちら

breguet

 ファイナリストモデルの全ラインナップから選ばれるこのカテゴリーには、信じられないほどの競争相手がおり、アイコニック賞カテゴリーのファイナリストであったブレゲにとって注目すべき勝利となった。


タイム・オンリー賞:ダニエル・ロート エクストラ プラット ローズゴールド

 価格帯やまったく異なるケース形状(ミンからラウル・パジェス、ピアジェまで)にわたる競争があり、激戦となったこのカテゴリーでは、美しくシンプルなエクストラ プラットが栄誉を獲得した。ナバス(Navas)氏とバルバジーニ(Barbasini)氏は再びステージに登壇し、ラ・ファブリック・デュ・タンにとって時刻のみの時計を成功させることの重要性と難しさを語った。

daniel roth

 この勝利はLVMHの時計部門にとって印象的な年となり、この夜のちょっとしたトレンドを示唆した。この歴史あるブランドの新作モデルについての詳細は、以前執筆した記事からチェックして欲しい。


メンズウォッチ賞:ウルバン・ヤーゲンセン UJ-2 ダブルホイールナチュラル エスケープメント

 強力な候補者(ショパール、グランドセイコー、ゼニスなどを含む)がひしめくこのカテゴリーを制したのは、ウルバン・ヤーゲンセンと、ブランドを復活させ牽引する時計師カリ・ヴティライネン(Kari Voutilainen)氏だ。彼は、UJ-2で時代を超越したモダンな時計を作ることを目指したと述べた。

urban jurgenson

 この勝利は独立系ブランドにとって重要な評価であり、UJ-2は技術に焦点を当てたダブルホイールナチュラル エスケープメントと、クリーンで伝統的な仕上がりが際立っていた。UJ-2の詳細については、ブランドの復活を特集したマークの記事からチェックして欲しい。


メンズ・コンプリケーション賞:ボヴェ 1822 レシタル 30

 オーデマ ピゲ、ウルバン・ヤーゲンセン、ショパール、パルミジャーニからの4つの永久カレンダーを含む、きわめてに複雑で強力な候補者が含まれる競技場であったため、これはボヴェにとって大きな勝利だ。ボヴェ 1822 レシタル 30は、ワールドタイムに対する異例なほど実用的で技術的に高度なアプローチでほかと一線を画した。

bovet

 静的な都市リングに依存するのではなく、ボヴェは24個の都市ローラーのセットと、サマータイムの慣習の変化を考慮に入れた追加のローラーを使用している。その結果、世界のどこでも1年中正確な現地時間を表示できるワールドタイマーが実現しており、これは多くの従来式ワールドタイム機構では提供できないものだ。


レディスウォッチ賞:ジェラルド・ジェンタ ジェンティッシマ ウルサン ファイアオパール
Genta orsin

 最高の女性用時計(GPHGではレディスウォッチと呼ぶ)の受賞者は、ジェラルド・ジェンタ ジェンティッシマ ウルサン ファイアオパールだ。ケースが似ているということで、とげのあるウニにちなんで名付けられている。このタイムピースに関するマライカの見解はこちらからチェックして欲しい。この賞は、ジェンタ本人と一緒に働いていたラ・ファブリック・デュ・タンの代表であるミシェル・ナバス(Michel Navas)氏とエンリコ・バルバジーニ(Enrico Barbasini)氏が受け取った。


レディス・コンプリケーション賞:ショパール インペリアーレ フォーシーズンズ

 ジェイコブやエルメスなどからの競合エントリーがあり、激戦となったこのカテゴリーでショパールが賞を獲得した。会場ではさほど驚きはなかった。ショパールのジュエリー部門を統括する共同社長のキャロライン・ショイフレ(Caroline Scheufele)氏が賞が発表される前にステージに招かれ、その後、時計製造部門を率いる共同社長で弟のカール-フリードリッヒ・ショイフレ(Karl-Friedrich Scheufele)氏も加わったためだ。

chopard

 真にロマンチックな複雑機構を提供するインペリアーレ フォーシーズンズは、ダイヤル上の回転ディスクを使用して、1年間の季節の進行を表示する。時間が経過するにつれてディスクはゆっくりと進み、春、夏、秋、そして冬を示す。リアルタイムで提供されるこの年に1度の複雑機構は、従来の窓付き日付やカレンダーという機構ではなく、時計の表示を自然のカレンダーに直接結びつけている。


アイコニックウォッチ賞:オーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー

 常に曖昧な“アイコニック”カテゴリーでは、オーデマ ピゲのロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーの最新世代が、新しい永久カレンダームーブメントで賞を獲得し、クラシックなロイヤル オークデザインに特に複雑な解釈を加えた。

AP

 2025年に発表されたオーデマ ピゲ ロイヤル  オーク パーペチュアルカレンダーは、ブランドのもっとも象徴的な複雑機構のひとつの大きな進化を象徴している。それを際立たせているのは新開発のCal.7138であり、すべてのカレンダー機能(日付、曜日、月、うるう年、週、ムーンフェイズ)をリューズだけで調整できるようになったことだ。詳細については、新しいムーブメントの進化を掘り下げたこの記事とビデオを見て欲しい。“シンプルで美しく、そして複雑”とCEOのイラリア・レスタ(Ilaria Resta)氏は受賞スピーチで述べた。


トゥールビヨン賞:ブルガリ オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨン

 これは常に注目のカテゴリーだが、オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨンは時計製造における驚くべき成果であり続けており、この賞にふさわしい受賞者だ。詳細はこちらで読むことができるが、主なポイントは全体で厚さ1.85mm(ケース、ムーブメント、クリスタル、ブレスレット)でありながら、伝統的なフライングトゥールビヨンと読みやすい時刻表示を実現していることだ。

bulgari

 ルイ・ヴィトン、ファム・アル・ハットなどからのきわめて特別な時計との競争があったにもかかわらず、この時計は実際に目にすることができれば、まさ魔法のような驚きと言えるだろう。


クロノグラフ賞:アンジェラス クロノグラフ テレメーター/イエローゴールド製

 オーデマ ピゲ、ルイ モネ、ミン、モーザー、アンデルセン・ジュネーブなど、素晴らしい時計が競い合った人気のカテゴリーで、アンジェラスがイエローゴールドのハンサムなクロノグラフ テレメーターで優位に立った。アンジェラスの詳細については、今年初めのラ・ジュー・ペレのマニュファクチュールに関する我々の記事からチェックして欲しい。

angelus chronograph

 このモノプッシャー・クロノグラフは今年のWatches & Wondersで大きな印象を与え、GPHGまでその勢いを維持し、ブランドにとって大きな勝利となった。ブランドのCEOであるパスカル・ベシュ(Pascal Béchu)氏は受賞スピーチで、この時計は真の愛好家やコレクターのために作られたと述べた。


スポーツウォッチ賞:ショパール アルパイン イーグル ケイデンス 8HF

 このカテゴリーもタフで激戦だった。賞はショパールの大胆な250本限定リミテッドエディションである、一体型ブレスレットを備えるスポーツウォッチに贈られた。このモデルを際立たせているのは、その素材と技術的な仕上がりだ。ケースとメインプレートはこのカテゴリーでこれまでに見られたなかでもっとも軽量なセラマイズドチタンを採用しながら、先進的な5万7600振動/時(8Hz)という高振動で駆動する自動巻きムーブメントを搭載している。

chopard

 アルパイン イーグルのこの特定の解釈によるきわめてスポーティな仕様を考えると、この受賞はショパールにとって強力な成果だ。共同社長のカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏が短い感謝のスピーチで賞を受け取った。詳細については、今年初めのタンタンの記事をチェックして欲しい。


ジュエリーウォッチ賞:ディオール モントル ラ デ ドゥ ディオール ビュイッソン クチュール
dior

 ディオールが勝利を収め、ゴージャスな作品が展示された。複雑なジュエリーセッティングが施されたこの時計は、時計のゲームを向上させ続けるフランスのファッションブランドからの花輪へのオマージュとして機能している。


小さい針賞(Petite Aiguille):M.A.D.エディション M.A.D.2/グリーン

 3000スイスフランから1万スイスフラン(日本円で約58万~190万円)の価格帯の時計に予約されているこの賞は、マキシミリアン・ブッサー(Maximilian Büsser)氏と、グリーンのM.A.D.エディション M.A.D.2に贈られた。この時計は今年初めのリリース時に我々が特集した、自社開発のジャンピングアワーとトレイリングミニッツのモジュール(ラ・ジュー・ペレのキャリバーに基づく)を導入している。

mad edition

 このカテゴリーには、ノモス クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマーなど強力な競争相手がおり、M.A.D.エディションが提供するウォッチメイキングと価格帯の魅力を示している。ブッサー氏は受賞スピーチで、長年の協力者でありデザイナーであるエリック・ジルー(Eric Giroud)氏に感謝した。


チャレンジ賞:デニソン ナチュラルストーン タイガーアイ イン ゴールド

 3000スイスフラン(日本円で約58万)以下の価格の時計を対象とした激戦だ。デニソンは発売以来、持続的な人気を博している時計でこのカテゴリーを制した(そして最近のデュアルタイムモデルへの進化も)。

dennison

 CEOのステファン・シェイク(Stéphane Cheikh)氏は、エントリー価格でレトロクールなクォーツ駆動のタイムピースへ拍手がなされるなか、客席からお辞儀をするようリードデザイナーのエマニュエル・ギュエ(Emmanuel Gueit)氏を指名した。


メカニカル・エクセプション賞:グルーベル・フォルセイ ナノ・フドロワイアント

 これは2025年に登場した最もクールで興味深い時計のひとつであり、グルーベル・フォルセイがメカニカル・エクセプション賞を受賞した。ナノ・フドロワイアントが際立っているのは主に、いくつかの主要な複雑機構を驚くほど着用可能なサイズに凝縮していることだ。ケースは37.9mm、厚さはわずか10.49mm。これは、モノプッシャー・クロノグラフ、フライングトゥールビヨン、およびフドロワイアント(または“ライトニングセコンド/lightning seconds”)ダイヤル機能を組み合わせた時計としては驚くほどスリムだ。

GF

 さらにフドロワイアント機構はトゥールビヨンケージによって直接駆動し、針を継続的に動かしてムーブメントの中心に視覚的に結び付けている。ナノ・フドロワイアントについてもっと知りたい場合は、昨年のマークのハンズオンを見て欲しい。

GPHG

そのほかの受賞者